ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」@Bunkamura ザ・ミュージアム

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渋谷で時間が空いたので、bunkamuraの地下にあるサ・ミュージアムへ。

印象派への旅」というタイトルは、かなり大げさで、さほど印象派の作品が網羅されているわけではない。むしろその前の時代の作品や、フランドルの画家の小品が多く展示されているので、このタイトルに吊られて行くと、期待はずれということになりかねない。

グラスゴーには、その昔、ロンドンから車で訪問しているが、このコレクションのことはまったく知らず、せっかくのチャンスだったのに、市内にあるグラスゴー市立美術館しか見ていない。このコレクションとは郊外にあるKelvingrove美術館・博物館のこと。

今回、この美術館からゴッホドガルノアールなどの油彩画が7点来ていて、これを中心に組み立てられた、80展からなる企画展。詳細は→ 「印象派への旅」展ホームページ

今回、珍しいことに一室だけ撮影OKということにしてあり、せっかくだから、何点か撮影した。

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G.クールベ マドモワゼル オーブ・ドゥ・オルドゥ

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ウージェーヌ・ブーダン 「トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー」

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「三軌展」とラオス会

190517 毎年恒例の美術展鑑賞と昼食会。55年前に欧州に渡った船上で知り合った仲間と、年に一度、この美術展に合わせて会合をもっているが、年々、出席者が減り、これまでで最小の6名になってしまい、寂しい限り。

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T画伯もすでに当美術団体のすべての役職から下りたが、出品だけは続けている。

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「飛翔 - 地中海」津田勝利

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T画伯の作品の前で撮影。いつになくサイズが小さくなっている。神話シリーズも最終章。

サイズは小さくなったが、内容は相変わらず雄大である。

他に、目立った作品は、

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「流動」小林俊彦

超細密画だが、それしても、水面の描き方には脱帽。T画伯によれば、細密に描くのは単なる技術だが、それを超えた奥行きや作家の主張がどこかに見えないと意味がないと云う。本作については、かなり好意的なコメントだった。

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「2019年4月1日・夜明け・」大槌 隆

毎回出品しているこの方、自分の住んでいる千葉の海がテーマ。好きな作品のひとつ。

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「わだつみの・・・・」横須賀幸正

こちらも常連さん。独特の世界観をお持ちだ。

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「高架下・宇治」植木善三郎

これも細密画だが、偶然右上から差してきた日の光をうまく処理している。

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「ツエレ(ドイツの街角)」晦日静枝

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「運河沿いのホテルより」晦日静枝

いやぁ、構図といい色調といい、実に楽しい!!

そろそろお腹も空いてきたので、昼食会の会場、銀座アスター新宿賓館へと移動。

「林 忠正」@国立西洋美術館

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彼のことは、以前から仄聞することはあったが、たまたま最近読んだ小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ)の中に、たっぷり肉付けされて登場して、いささか関心が膨らんだところへ、この企画展!自分にとっては、まことにタイムリーで、さっそく上野へ足を運んだ次第。

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細々した遺品から実に140点を超える品々を並べたこの企画展、見応えたっぷり。彼の生い立ちから、パリへ進出、その後の縦横無尽の活躍ぶりが手に取るように理解できて、興味が尽きない。

それにしても、彼が構想していた日本における美術館が、彼の早すぎる死で頓挫し、貴重な収集品が無残にもあちこちに散逸してしまったのが、返す返すも悔やまれてならない。

ところで、前述の小説では、ゴッホ兄弟との関わり合いが軸になっているのだが、彼がパリにいた時代に懇意にしていた印象派の画家としては、ドガロートレック、マネ、モリゾらであり、肝心のゴッホと実際に会ったかどうかの確証がないのが面白い。

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ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代 (国立西洋美術館開館60周年記念)

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国立西洋美術館は、言わずと知れたル・コルビュジエの作品。本来は、現在東京文化会館のある辺りも含めた用地に、大掛かりな芸術施設を作る計画があったらしいが、その後、予算を削られて、美術館および小規模な付属の建物に限られたようだ。その時、都にもし予算に余裕があり、ついでに後藤新平のような男がいたら、実現できただろう一大プロジェクトだった。

基本設計はル・コルビュジエ、実施設計はその弟子である前川國男坂倉準三らが担当して、1959年に開館にこぎ着けた。一方、東京文化会館の方は、同じく前川國男の設計で1961年4月オープン。その年の秋には早くもNHK招聘イタリア歌劇団が3回目の公演を行なっている。

話がそれた。基本設計者の企画展であれば、当然その会場を利用することになり、普段常設展の会場がル・コルビュジエの作品群に充てられた。(常設は新館へ移動)

彼が唱えたピュリズムという、至極短命な絵画の流派、というか形式だが、それまでのキュビズムが禁欲的な色彩、あるいは対象物が、時代の変化に即応していないとして、まずアメデェ・オザンファンが唱え、その理論に共鳴したル・コルビュジエが乗ったということらしい。当時は、エドゥアール・ジャンヌレという本名を用いており、後に祖先の名前から、ペンネームあるいは画名として使用し始めたとある。冠詞の付く名前は比較的珍しい。

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静物 1920

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静物 1922

ごく身近に存在する瓶、グラス、水差しなどを直線、曲線、四角、三角、円錐などに落とし込み、パステルカラーを多用してひたすら制作しているが、そうはいうものの、キュビズムとの境界線はイマイチ判然としないのもまた事実だろう。

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ジョルジュ・ブラック 静物 1920

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フェルナン・レジエ サイフォン 1924

レジエはキュビズムだったが、途中から別の流れに移行、独特の世界観を生み出す。

結局、あいまいな立ち位置がわざわいしたか、ピュリズムという流れは7年ほどで消えていく運命。ル・コルビュジエも、途中から建築への興味が勝り、それでも絵はその後も書き続けていたらしい。

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ル・コルビュジエの建築設計士としての名声を確立するきっかけとなったサヴォア邸。

1928年に設計を始めた歴史的邸宅。建築史上のアイコン的存在。パリ郊外、ポワッシーにある。彼の理想が詰まった作品と言える。住宅の持つ明るさ、軽やかさの典型が示されている。

ピロティ、屋上庭園、鉄筋コンクリート、自由な平面、自由なファサード、細い柱など、彼の唱えた理論をすべて網羅し、外光を精一杯とりこめる工夫が随所に。

平日の午後3時頃だったが、意外に混んでいて、それも若い人の関心も大いに引いているようで、まことに喜ばしい。

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いつもは閑散としている常設館入口付近も、今日はこのにぎわい!