ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

オルガン演奏会@東大駒場キャンパス

180620

f:id:grappatei:20180621113657j:plain

こういう素敵なコンサートが無料で開催されていたことは、まったく知らなかった。すでに138回というから驚く。

ついでに、900番教室とは一般的には講堂という風情なのだが、そこにこのようなパイプオルガンが設置されていることにも驚くし、羨ましい限りで、こういう環境で勉学に励める学生たち、本当に恵まれていると思う。

講堂ゆえ、おそらく天井の煌々たる明かりの照度調整はできないと思われる。コンサートだから、本来もう少しだけ照度を落としたら雰囲気が出るところだが、贅沢は言えない。

f:id:grappatei:20180621115121j:plain

それはともかく、正面にはモニターに映し出される演奏者の姿が。ただし、音源が後ろの上部ということで、一部の聴衆は、自席から顔だけ後ろ側に向けて鑑賞していたが、不自然な体勢だから、正面のモニターを見て、後ろから飛んでくる演奏を聴くしかない。

f:id:grappatei:20180621115139j:plain

500人ほど入る講堂はほぼ満席となっていた。前方で挨拶するのは日本語堪能なオルガニストでもある、ヘルマン・ゴチェフスキー教授。名前からするとポーランド系ドイツ人ということか。出身のフライブルク大学での専攻は超域文化科学で、現在は音楽学、音楽論、音楽史、演奏論などで教鞭を取っている模様。今回の演目のひとつについて、同教授が以下のように大変興味深い理論を展開している。

f:id:grappatei:20180621115739j:plain

f:id:grappatei:20180621115858j:plain

演奏された演目は、大半が親しみやすいものばかりで、ソプラノとオルガン演奏がほぼ交互に組まれていた。

f:id:grappatei:20180621120008j:plain

⬆︎ちなみに留学中、1位となった国際声楽コンクールが行われたカリ(Cagli)はマルケ州、ペーザロ・ウルビーノ県にある町。ヨーロッパでのオペラ・デビューもこの町での「アリオダンテ」(ヘンデル)、ダリンダ役。

f:id:grappatei:20180621120029j:plain

f:id:grappatei:20180621120742j:plain

帰り際にパチリ。

その後、渋谷へ出て、タパス屋でピンチョスで一杯だけ。

f:id:grappatei:20180621120850j:plain

どれもおいしかった。(安くはなかったけど)

#35

「サバービコン 仮面を被った街」

180620 SUBURBICON 米 105分 製作(共)・脚本(イーサン兄弟と共)・監督:ジョージ・クルーニー

f:id:grappatei:20180621105755j:plain

それほどの評判ではなかった作品だが、期待以上に楽しめた。コーエン兄弟の脚本は悪くないし、展開に意外性もあり、自分にはクルーニーの力作と思えたが・・・。

時代設定は1950年代、誰もが憧れる夢のニュータウンという触れ込みの街で起きる二つの事件。一つは主人公一家での保険金詐欺事件、もう一つは道路を挟んだ家に引っ越して来た黒人一家に対する暴動事件。

f:id:grappatei:20180621110329j:plain

この作品に興味を持ったのは、ジュリアン・ムーアが出演すること。似たような時代設定で、同じく黒人問題を取り上げた「エデンより彼方へ」(2002)での彼女の好演が忘れられない。この時代設定に彼女ほどぴったりはまる女優は少ないと思う。

f:id:grappatei:20180621111030j:plain

閑静な新興住宅街に突然黒人一家が引っ越して来たから、たちまち騒然とする周辺の白人住人たち。最初は、それを見越したかのように当の黒人一家も気丈に振舞っていたが、次第にエスカレートする騒ぎで・・・まさかの展開が終盤に。

これは実際にあったニュータウンニューヨーク州ペンシルヴァニア州に出現したレヴィッタウン(LEVITTOWN)がモデルになっていて、黒人一家を巻き込む暴動も実際に起きていたらしい。

f:id:grappatei:20180621111408j:plain

そうした大人たちの騒ぎをよそに子供同士はすぐに仲良しに。

多額の保険金を掛け、双子の姉を強盗殺人を装って殺害するガードナー(マット・デイモン)、強盗になり済ませたマフィアと示し合わせていて、警察の面通しに立ち会うが、なんとその場に子供が居合わせ(うすうす真相に感づいている一人息子が車の中に隠れて親の後をつけてきたんだろう)、「あ、あのおじちゃんたちだ!」

f:id:grappatei:20180621111521j:plain

一方、詐欺に感づく保険屋(オスカー・アイザック)が登場、この辺りから俄然緊迫感が増す。

f:id:grappatei:20180621112001j:plain

オスカー・アイザックグアテマラ出身の39歳)の演技が小気味好い。愛想よく現れて、「オタクたちの悪事、俺はみんな知ってんだよ。俺にも一枚加わわらせてもらうとするか」

その後、この白人一家で唯一の生存者になった少年が、暴動騒ぎも収まり、元の静けさが戻った街でキャッチボールを始め、カメラが上空へと引いてジ・エンド。なかなかうまい締め方だ。

みんなが幸せになれる夢のニュータウンと大々的にふれこんだものの、一皮むけば、このザマでっせというお話。そして未来に夢を繋げるようなエンディング。

#51 画像はIMDbから。

 

R.シュトラウスを聴く@サントリーホール

180619

f:id:grappatei:20180624154006j:plain

f:id:grappatei:20180620105908j:plain

時間調整を兼ねて、まずはカラヤン広場に面するAUX BACCANALESで食前酒とオムレツで少しだけ腹ごしらえ。今日は睡魔を恐れ、ギネス一杯だけにとどめる。

f:id:grappatei:20180620105927j:plain

 

f:id:grappatei:20180620110031j:plain

R.シュトラウスだけで構成されたプログラム。歌劇「カプリッチョ」や「薔薇の騎士」は何度か見たことはあるし、交響詩の中では「ティル・オイゲンシュピーゲルの愉快ないたずら」や「ツァラトゥストラはかく語りき」、「英雄の生涯」ぐらいは聞いたことがあるが、比較的自分には馴染みが薄い作曲家。

まあ、それにしても、楽器編成が凄い!大編成というか、珍しい楽器がさまざま登場する。そして、他の作曲家が考えもしなかったサウンドを創り出して楽しんでいたのだろう。

ドン・キホーテ」では、見たこともないような楽器が奥に鎮座していて、残念ながら奏者が後ろにいるから、動きが見えない。なんでもウィンド・マシーンという楽器で、文字通り風の音を鳴らしていたのだ。ただ、自分にはそれは聞こえなかった。

f:id:grappatei:20180621101330j:plain

カプリッチョ」の前奏曲と月光の音楽では、11分の演奏時間の半分以上は第2バイオリンを除く弦楽第1プルトの6人だけで演奏するという、これなども、結構珍しい演奏である。

また、最後の演目では、奥に鍵盤打楽器が2台見えていて、1台は普通の鉄筋でマレットを叩いて演奏していたが、もう一台のグロッケンシュピールについては、終演部で打楽器奏者二人掛かりで、バイオリンの弓らしきもので音板の縁を上下させて鳴らすと言う特殊な奏法を披露。初めて見る光景だった。

この39歳という若さのマエストロ、その名もコルネリウス・マイスターという新進のドイツ人。マイスターはイタリア語にすればマエストロであるから、運命的だ。

開演前に楽団員が入場すると同時にマエストロが登場して、全員が着席するのを待つというスタイル。というのも、下のチラシの説明を見れば分かるように、黙祷の代わりに演奏するためのスタンバイだったようだ。洒落たことをやるもの。

f:id:grappatei:20180620112438j:plain

演奏されたチャイコフスキーの「くるみ割り人形」に「情景/冬の松林」という曲があること、知らなかった。普段聴いているのは、全部で15曲もある中のほんの一部でしかないのだ。バレエを見ていないから、知らないのも無理はない。

#34

 

「万華響」という和太鼓集団のエンタメ@オールタナティブシアター(有楽町)

180619

f:id:grappatei:20180620103518j:plain

以前所属していた会社の子会社が主催するイベントに行ってきた。出演のDRAM TAOについては、まったく知識ゼロのまま出かけた。ちまたではかなり知られた存在らしい。

f:id:grappatei:20180620103822j:plain

f:id:grappatei:20180620103833j:plain

女3人、男11人の若者たちが繰り広げる舞台はかなりの迫力があり、日本人はもとより外国人にも受けること、間違いないエンタメである。

大小さまざまな形の和太鼓を狂ったように打ち鳴らすだけでも、猛烈なエネルギーを感じるが、加えて、三味線、箏、笛などの和楽器での演奏、さらに刀や二つに折れる棒状の用具を振り回しながらの激しい乱舞、プラス、静寂と狂乱の音響と映像が舞台に厚みを加えて、なるほど、これなら宣伝次第で、相当いいところまで行ける予感。

f:id:grappatei:20180620104406j:plain

コシノ・ジュンコによるコスチュームが冴えていた。やはりこのデザイナー、ただものではない。

万華響というタイトルもうまい。万華鏡を思わせる映像が随所に用いられている。

#33

「響友第九」のオケ合わせ

180616 今月30日に本番を迎える響友第九(大田区ハイドン室内管弦楽団との共演)、今回、2度目のオケ合わせが池上会館で行われた。オケはやはり1週間前に比べると格段に上手になっていた。

f:id:grappatei:20180617175922j:plain

オケの楽団員も前回より増えているし、技術的にも進化しているから、合唱もがんばらねば。

今日はトラの中からテノールバリトン、さらに主催者側関係者の中からソプラノがソリストとして歌ってくれて、本番さながらに練習できたのは収穫。

当日の立ち位置どおりに歌ったが、周囲はあまり第九の経験がない方々が多く、こりゃいっそ自分がしっかりしないといけないなぁという感慨。

本番の会場は大田区アプリコ大ホール、午後2時から。