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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

スミレを見に神代植物公園に

170406 嘗ての職場の先輩が20年前から関わっているスミレ祭を見に、初めて神代植物公園にへ出かけた。折からの好天で、開花が待たれた桜も一斉に咲きそろい、ありがたい一日に。

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賑わうスミレ展示室

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曙桜はソメイヨシノより数日早く開花し、色も少しだけピンクが濃い。これはその名も神代曙というこの土地固有の原木だそうだ。曙桜はワシントンのポトマック河畔にも、多くはないが植わっている。

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信じられない色のヒスイカズラには、さすがにしばし見惚れる。

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もう一つのお楽しみは、深大寺そば。呼び込まれるままにそこの店に。真昼間からビールを。天ぷらとざる蕎麦という定番コースに舌鼓。

 

 

日生劇場『ラ・ボエーム』関連企画 ドラマトゥルクレクチャー

170402 そもそもドラマトルゥク(独語、Dramaturg)なる、かなり専門的な言葉は、ドイツの劇場で古くから一般的に普及している専門職を指し、制作とは独立して存在する、文学、美術など、深く広範な専門知識が要求される知的エキスパートのことだそうだ。それゆえ、日本ではさほど頻繁に使用される言葉ではないのかも知れない。

さて、今日登壇される方々がそういうエキスパートなのかどうか、よく知らないが、6月の公演はすでにチケットも入手しているので、興味をそそられ、3/25の園田龍一郎vs.加羽沢美濃レクチャーに続いて参加してみた。

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配布されたレジュメには、以下の記載が。

■本公演の『ラ・ボエーム』演出について

・「幕」ではなく「景」(イタリア語では幕をattoというが、ラ・ボエームでは、絵や額を意味するquadroが使用されている

・日本語上演であることを十分に活かした『ラ・ボエーム

・いつまでも続くわけではないボヘミアン生活

 

■本公演『ラ・ボエーム』の日本語訳詞について

・聴こえてくるメロディーと日本語の関係

・訳された日本語がイタリア語でのっている形で聴こえる事は必ずしも絶対的な条件ではない。

・訳された日本語と音符との結びつき(より良い旋律の為の言葉となっているかどうか)。

 

ということで、やはり日本語での上演について、かなり神経をつかっている印象。実は自分も初めから日本語上演と知っていたら、多分予約しなかったと思うのだが、予約してから気づいたのでどうにもならない。

せめてアリアだけでも原語でと思うが、それも日本語になる。一部、第1幕の「冷たき手」Che gelida manina(樋口達哉)と第4幕の「古い外套よ」Vecchia zimarra(デニス・ヴィシュニャ)の2曲のみ、練習時の録音が会場で披露されたが、うーん、違和感たっぷり、それに何を言っているのか分かりにくい。まして外国人の日本語では、まったく意味不明だった。ま、そういうことも想定しているのか、6月上演時には日本語字幕も出してくれるようだ。(字幕制作も宮本益光担当)

日生劇場によると日本でのオペラの浸透を少しでも図るには、高校生ぐらいを対象にしたオペラ教室的な上演が効果的と考えていて、それには、原語上演より日本語上演の方がより目的にかなうと判断したようだ。

そういえば、イギリスでも、コベントガーデンのロイヤルオペラハウスは原語上演、イグリッシュ・ナショナル・オペラでは、すべて英語上演という住み分けがずいぶん昔から出来上がっているし、ウェールズスコットランドでも同様なシステムが根付いている。

ただまあ、英語とイタリア語の違いに比べ、日本語となれば、かなり異質なので、その落差をどう埋められるかだろう。オペラ自体をまったく、又はほとんど聞いたことのない若い耳には、ごく自然に受け入れられだろう。

問題はこれまでイタリア語でしか聞いていない自分も含めた大人の反応だろう。どんな感じがするのか、その点は楽しみでもあるのだが。

 

「未来よ こんにちは」

170328 原題:L'AVENIE (未来)この邦題は、多分に「悲しみよ こんにちは」を意識して決められたような気がする。仏・独合作 2016 監督はミア・ハンセン=ラブデンマーク系フランス人で、まだ36歳!

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監督自身の出身地でもあるパリ5区、いわゆるカルティエ・ラテンに暮らす中流の4人家族。主人公ナタリー(イザベル・ユペール)は高校で哲学を教えている。ドイツ人亭主ハインツも同じ哲学の教師という、典型的インテリ階級一家。娘と息子は、そうしたエリート階級の両親とは、やや距離を置いている。

居間の壁面は学術関係書籍がびっしり並ぶ、いかにも教職にある夫妻にふさわしい構えである。

折から学内では、現行政治への反発から険悪な雰囲気が一部に出始め、講義に赴こうとするナタリーすら誰何される始末。'68年紛争で行動的だったナタリーも、今は政治から距離を置き、敢えて学生の前では自分の政治思想は明らかにしない方針にしている。

ハインツとは、結婚した25年前から夫婦としてより、同士としての感情の方が優っていると自分では感じている。ただ、このダンナ、最近、挙動不審をナタリーではなく、娘に見透かされ、娘から不倫をなじられ、一刻も早くナタリーに告白してほしいと告げられる。

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一方、独り住まいをしている母親イヴェット⬆︎の健康状態が思わしくない。自分に学歴がないが故に、一人娘に哲学の先生になることを強く勧めたのはイヴェットであり、そのことに、ナタリーは感謝している。が、最近のナタリーへの甘えぶりは尋常ではなく、何かにつけて真夜中に電話をしてきたり、ちょっとしたことで救急車を呼ぶなど、ナタリーには大きな負担になっている。

時折連絡してくれる昔の教え子ファビアン(ロマン・コリンカ これがいい男なのだ。調べたら、なんとジャン・ルイ・トランティニャンの孫!)は、ナタリーに大きな感化を受けて、自身教師の道を選ぶが、今は著述を生活の糧にして、山岳地方で、アナキーっぽい仲間たちと共同生活を始めている。

ハインツは結局、若い恋人と出て行ってしまったし、母親の介護のこともあるが、そこそこ充実した日々を過ごすナタリーだった。

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⬆︎ファビアンの住む山岳地方の村を訪ね、数日間共同生活ぶりを体験するナタリー。籠の中は、イヴェットから預かった黒猫パンドラ。ナタリー自身は猫アレルギーだが、預かるしか選択肢がない。

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⬆︎別れたハインツ所有の夏の家がブルターニュにあり、毎年夏のバカンスを家族と過ごしたかけがえのない思い出の場所だが、もう来ることもないだろう。母親危篤の連絡が入り、急遽パリにとんぼ返り。最後は手こずった母親だったが、いなくなってみれば、涙が込み上げて来る。

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これから、どうなっちゃうんだろうと、考え込むこともあるナタリー、

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今の暮らしを大事にしながら、前向きに生きていこうと心に決めるナタリー。少しだけ当てにしていたファビアンとも、考え方の違いが次第に鮮明になり、この高原ともおさらばだ。

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この監督が名優イザベル・ユペールを想定して作った作品だけに、彼女の演技はことさら光を放っていて、この役は彼女以外の女優では難しかったと思えて来る。ユペールはすでに60歳を過ぎ、さすがに容姿はそれなりだが、演技力は断然増していると感じる。

劇中、突如響く歌声は、亡きディートリッヒ・フィッシャーディースカウの歌うシューベルト作曲のAuf dem Wasser zu Singen

またエンディング近くでは、The Fleetwoodsの歌うアンチェインド・メロディー、ラストは、Donovanの歌うDeep Peace. 間違いなく佳作!

#16 画像は、ALLCINEMA on lineから

 

「パッセンジャー」

170327 原題もPASSENGERS 米 2016  116分 監督:モーテン・ティルドゥム(ノールウェー人、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」2014)

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⬆︎タイトルの下にあるf:id:grappatei:20170328115350p:plainは、モールス信号でS.O.Sのことらしい。

典型的なスペースSF。汚染され、過密状態の地球から人類の移住先は、もはや他の類似惑星しかないと、120年かけて、巨大なスペースシップAVALONで、とりあえず5000人が冬眠状態のまま宇宙へ船出することに。

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2001年宇宙の旅  (2001:A SPACE ODYSSEY) 1968米 」で登場した宇宙船に比べると、複雑であまり美しいとは言えない姿に進化している。

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冬眠用カプセル sleeping chamber(hibernation pod)がずらりと5000台も並んでいる場面はなかなかの壮観!この一つに不具合が生じてジム(クリス・プラット)は、飛行開始から30年で目覚めてしまう。あと90年飛び続けないと目的のコロニー、Homestead IIへ到達できない!

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超豪華な内部構造を持ったスターシップ・アヴァロンには、宇宙での生活を楽しめるああらゆる贅沢な設備が整っている。

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中華料理屋で(背景には漢字やかなも見える)注文するジム。

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話し相手になってくれるロボット・バーテンダー、アーサー(マイケル・シーン)のいるバーには毎晩のように現れるジム。ここで、1年以上の孤独な生活には耐えられないから、お気に入りの女の子(オーロラ - ジェニファー・ローレンス)のチェンバーを開けようか悩んだ挙句、アーサーに漏らしてしまう。

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なぜ事故(ジムの仕業だが)で自分だけ目覚めたか不審に思うオーロラだったが、人間は二人しかいないし、次第に”犯人”であるジムに打ち解ける始める。

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星空を眺めながら泳げるプールのシーンは、幻想的である。

可愛い娘と二人だけになり、しかも愛し合うことに発展するわけだから、ジムにしてみれば、このままスペースシップの中で朽ち果てても構わないと思ってしまうのも無理からぬところ。

ところが、そうは問屋が卸さないとはこのこと。他言無用と釘を刺していたロボットのアーサーが、一人でカウンターで酒を飲むオーロラに”秘密”を漏らしちゃったからさあ大変!!この時のローレンスの驚きから怒りへと変化していく表情の凄さったら、たまらない。

恋人どころか、一転して殺人者のレッテルを貼られてしまったジム、以降は地獄の日々。ところが、次々にアヴァロンに事故が発生して、二人は結局力を合わせざるを得ないことになる。襲いかかる事故への対応、乗組員でもない、ただの素人乗客の手に負えるようなシロモノではないのだが、なんとかマニュアルを見ながら対処していくところはあまりにご都合主義で、笑ってしまう。

その後、どうなったか。ジムがなんとか一人分の冬眠用カプセルを修理し、嫌がるオーロラに再び冬眠させ、自分一人だけ、バーテン相手に余生を送る決断をするのだったが・・・

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ジェニファー・ローレンスの演技は大したもの。クリス・プラットは凡庸。途中で登場する船長役のローレンス(紛らわしい)・フィッシュバーン(「地獄の黙示録」)が、でっぷり太ってしまって、まるで別人!

いろんな最新鋭医療機器を積み込んでいるのに、あっけなく死んでしまう。クレジットにアンディ・ガルシアの名前があったので、いつ出てくるのかと思っていたら・・・!!しかも一言のセリフすらなし。カメオ出演にしておけばよかったのに。

まあまあ楽しめた作品だった。スペースシップのデザインも面白いし、内部の設備が極めて精密にできており、広々したレストランでなんでもお好みのものを調理してくれる装置や、ユーモラスな清掃用ロボット、宇宙空間にせり出した巨大プールなどなど、どれも感心する出来栄え!

#15 画像はIMdbから

「ホップ・ステップ・ジャンプ!」

170326

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兄の趣味の一つ、アマチュア絵画クラブの発表会が今年も銀座のギャラリーで開かれ、姉と一緒に見に行った。生涯のヒコーキ野郎だから、今回の作品も飛行機が主役である。

これまでのいかにもメカニック然としが絵柄から一転、洋上の水上機の翼から海に飛び込む人たちを描いた、珍しい作品。なんでも友人から入手したモノクロ写真を元にしたらしいから、色はもちろん想像で創り出したもの。彼方に沈みゆく夕日に染まる空の色と、海の色がうまく描き分けられている。

それにしても、水上機の翼によじ登ること自体、大変だろうに、そこから翼の上を走って海に飛び込むって、なんとも奇想天外である。元の写真は英国のフィナンシャル・タイムズ掲載ということだから、彼らはイギリス人かも知れない。いろんな想像が膨らむ一点。

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この後、銀座4丁目角に最近できたライオンでビールにありついた。毎回、こうして絵画鑑賞にかこつけてのいっぱいが楽しい。今日は満州時代、大阪時代が中心の大昔話に花が咲いた。