ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

あえて、小さな「魔笛」2017@シアターX(カイ)

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千円でオペラが見られるのだからありがたい!このシリーズ、今年で10年目というのも、すごいことだ。愚亭は昨年に続いて2度目の鑑賞。低予算という制約下で、昨年からまた色々工夫と進化の跡が窺われる。それは演出の違いによるところも大きいのかも知れない。

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主要キャストの中では、モノスタトスが含まれていない。もちろん侍女たちの出番もなし。その分、縮小されていて、むしろ小気味が良いような展開だ。というのも、フルバージョンだと、途中、必ずダレる箇所があり、眠気を催すのだが、こういう短縮バージョンで手軽に楽しめるのもあって良いと思う。

今回演出を担当した横山通乃、アフタートークにも登場し、当方の質問にも最後に丁寧に対応してくれた。どっかで見たことのあるお顔と帰路、ずーっと気になっていて、早速帰宅後、インターネットで調べて見たら、果たせるかな、黒柳徹子などと一緒に「ヤン坊、ニン坊、トン坊」や「若い季節」に登場していた、あの横山道代であった。

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バリトン大井哲也は、ずーっとパパゲーノ役と音楽監督としてこのシリーズを牽引している。テノール布施雅也はつい先日芸大奏楽堂でのモツレクでご一緒させていただいたばかり。このシリーズは5年ぶりとか。タミーノは、彼の声質からしてはまり役。

パミーナの赤池は、昨年もこの役を演じているお馴染みのソプラノ。声も素晴らしいが、舞台姿もとてもチャーミング。夜女とパパゲーナのまったく違うキャラを演じ分けた渡邉恵津子にも喝采を送りたい。例の超難度のアリアをほぼ完璧に歌っていた。

ザラストロの島田啓介、声も含め、風貌もピタリと決まっていた。またアフタートークでの質問に対して、自分の留学時代の話も絡めてたっぷりご説明いただき、痛み入った次第。

質問の主旨は、昨今日本語上演が増えている中で、聴衆には親子連れが多い中、あえて原語上演したことに触れて見た。予算の関係だろうが、字幕もないから、日本語でも良かったような気がするというもの。自分自身は原語の方が好きなのだが。

やはり原語の持つ調べを大事にしていることが最大の理由だが、日本語上演の可能性は残しているような口ぶりだった。そして、パパゲーノとパパゲーナが歌う「パ・パ・パの歌」だけは日本語にしたのは、舞台上に子役が多数登場するし、最も子供達に見て欲しい場面だったので、そういう演出にされたようだ。

島田の説明では、ジングシュピール(歌芝居)は庶民のものゆえ、上演する国の言葉でやる意義は大きいという。日本では、オペラが初演された頃は、日本語上演が普通で、後年、原語上演に切り替わったという歴史があると。

またバスーン奏者の喜多無為の挨拶の中でも原語と日本語の違いに触れていただいた。伴奏陣も、使用言語の微妙な違いを感じ取って演奏し分けているそうで、それなりに気を使うとのこと。器楽奏者側にもこんな苦労があることを初めて知った。目から鱗、アフタートークまで残ってセーカイだった。

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アフタートークでの質疑、左から布施雅也、大井哲也、横山通乃赤池優、島田啓介、渡邉恵津子

#40 文中敬称略

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

170803 原題:THE FOUNDER  米 115分 監督:ジョン・リー・ハンコック

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世界に先駆けて、飲食の世界でフランチャイズシステムを確立したレジェンド、レイ・クロックの成功譚を映像化。

一時期フランチャイズ・ビジネスに身を置き、キャリアの最後は偶然フランチャイズ協会だったこともあり、この話の概要は知っていたが、想像以上に凄まじい話で、今更ながら、この男の凄さを改めて実感できた。

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映画は、1954年というから、63年も前に遡ったところから始まる。取柄は野望と根気だけの、一見して野暮ったいこの男、ありとあらゆるものの訪問販売を繰り返して、ついにチャンスを掴みとる。

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田舎(カリフォルニア州さん・バーナード)で、これまでになかった画期的な手法で成功しているハンバーガーショップ、マクドナルドに出会ったレイは、直感で、これをフランチャイズで全国展開すれば、絶対儲かると踏む。半信半疑の経営者、マクドナルド兄弟、ディックとマックはレイの得意の弁舌に押し切られる形で契約書を取り交わすが・・・・。

最終的に兄弟の手元に残ったのは合わせて270万ドルの小切手、一方レイが得たものは、全米のフランチャイズ経営権や、すでに手当てしてあった3,000箇所にも及ぶ土地代、マックののれん代など、数千万ドル。

運がなかっただけでなく、先が見通せる洞察力の欠如から、マクドナルド兄弟は、結局、自身のブランドだった筈のマクドナルドの看板を使えなくなったことを知って、その後、兄のマックの方は持病の糖尿病が悪化、失意のうちに亡くなるという、弱肉強食の世界の犠牲者に。

最後にマクドナルド兄弟がレイに尋ねる。「なんでなんだ、なんでこの店がそんなに気に入ったんだ?」と。するとこの名前に輝かしい将来性を感じた、とすかさず。マクドナルドという名前の響き、字面、何もかもが素晴らしいとピンと来たとか。これがもし自分の名前のクロックという、いかにも東欧風の暗い名前では成功は覚束ないとも。ま、要するに一瞬のヒラメキなんだろう。

それにしても、このレイという男の意思の強さと、情に流されない冷酷さを演じ分けたマイケル・キートンが素晴らしい。当初、トム・ハンクスが演じるという話もあったらしいが、他の作品と撮影時期が重なり断念したとか。

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哀れなのは、レイを支えて来たエセル夫人(ローラ・ダーン、ブルースの娘)だ。結局、レイの考えについていけず、一方的に離婚されてしまう。仕事だけでなく、私生活でも、かなり冷酷な男だ。

当時、まだそれほど一般的でなかったフランチャイズという手法は、本部が看板(ブランド)、経営・運営ノウハウ、それにテリトリー権をフランチャイジーに提供し、見返りにロイヤリティー(売上や利益の何パーセント)を受け取る方式で、展開が早いのが特徴。アメリカのようなデカい国にはぴったりの事業手法。日本では、コンビニのほとんどがこの方式。

本作も実話を元にしているから、案の定、先日見たボクサー、ビニーの作品同様、エンドロールで、実写フィルムと登場人物のその後の人生が示される。先に席を立っちゃダメと言ってるのに!

#52 画像はIMDbから

 

 

 

「ビニー/信じる男」

170801 原題:BLEED FOR THIS(これに血を流せ➡︎このために戦え、かな?)米、117分 原案・脚本・監督:ベン・ヤンガー、製作総指揮:マーティン・スコセッシ

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割にボクシングは知っているつもりだったけど、こんなボクサーがいたこと、知らなかった。つまり超一流というボクサーではなかった。だけど、奇跡を起こしていたのだ。これは、日本人ではあまり知られてない実話。

日頃の肉体鍛錬とたゆまぬ精神修養が求められる世界、ボクシングもその代表的な種目だろう。チャンピオンに上り詰めてからが、最も厄介な時期だから、よほどのトレーナーが付いていない限り、若いチャンプには、あまりにも多くの誘惑から逃れられない。ついでに運もあるし!

この主人公ビニー(マイルズ・テラー)の場合は、友人が運転しての交通事故だから、これはもう不運としか言いようがない。それも正面衝突で、運転していた男の不注意(典型的によそ見運転)だったのに、助手席のビニーの方が重傷を負ってしまう。脊椎損傷一歩手前だから、再起不能は当然としても、果たして歩けるぐらいまで回復できるかどうかが医者の見立て。

まあ、普通なら、これで一巻の終わりで、この作品も生まれなかったところ。そこからが、このビニーという男がタダモノじゃなかったというところで、物語としては、ここがスタートライン。結局、この難局を信じられないほどの克己心というのか精神力で乗り切って、見事復活を果たすという話。

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トレーナー役のアーロン・エッカートがこんなに禿げ上がっていたとは!普段はズラつけてんのか。まさかこっちがCGとかじゃないよね。このトレーナーも、はなっから、再起など念頭にないから、地下のトレーニングルームで密かにトレーニングを開始しているビニーを見て、腰をぬかさんばかり。でも、彼の本気度を見極めて、加担することに。

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(⬆︎左)もう一人、もっと厄介な存在は、ビニーがパピーと甘える父親キアラン・ハインズ)だ。我が子にそんな危険な真似は絶対にさせないと、トレーナーを追い出す。が、最後は折れざるを得ない。条件付きで。これまでずーっとビニーのセコンドを務めてきたけど、次の再起戦では客席から見ることにすると。

きっとこうなるという展開は読めても、登場するボクサーで唯一知っていたパナマロベルト・デュランとの12回をフルに戦う場面がやはり見せ場で、スタントやCGの助けを借りているとは言え、迫真力はハンパない。すっかり自分が戦っている気分になってしまっている。

本作もエンドロールが出てしばらくすると、当人の実写フィルムが出てくるから、席を立っては絶対ダメなのだ。映画館で見る場合は、場内が明るくなってから席を立つのが鉄則!

さて、ビニー・パジェンサ、実際の名前はVincenzo Pazienza(ヴィンチェンツォ・パツィエンツァ)、れっきとしたイタリア移民の子である。パツィエンツァは、忍耐とか患者という意味があるが、偶然とは言え、よくできてる。彼の勝利への貪欲さをタスマニアン・デビルになぞらえて、パジェマニアン・デビルの異名を取っている。1962年生まれの現在54歳。

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頭蓋骨を固定するハローとか称する方法だが、頭の何箇所かに穴を開け、ボルトで締め付けるわけで、これを締める時は麻酔をかけて施すのだが、外す時には、ビニーが麻酔が体に影響を及ぼすと医師に主張して止まず、ついに麻酔なしで1本ずつ外していくことに。この場面は、ちょっと正視に耐えないほど。

このビニーを演じたマイルズ・テラーだが、「セッション」(2014)でのドラマーを演じた姿がまだ目に焼き付いている。それほど、強烈な印象を残した。尤も、あの作品では、彼をしごき尽くすJ.K.シモンズの方が印象が濃かったかも知れないが。甘っちょろい風貌だけに、意志の強さを感じさせる演技力は、やはりタダモノではない。

ついでながら、父親役のキアラン・ハインズ北アイルランド人で、いかつい体と目つきに特徴があり、一度見たら忘れられない風貌。これまで「ヴェロニカ・ゲリン」、「ミュンヘン」、「ゼア・ウィルビー・ブラッド」、「裏切りのサーカス」などで、重要な脇役を演じてきている。存在感たっぷりの俳優。

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#51 画像はALLCINEMA on lineとIMDbから

「没後40年 幻の画家 不染鉄展」〜暮らしを愛し、世界(コスモス)を描いた〜

170801 遅ればせだが、不染 鉄展へ。知らない名前だった。「幻の・・」なんて書かれているから、世間的には知られざる存在だったんだろう。だいたい不染 鉄という名前からして、なにか不思議な存在という感じだ。鉄は画名で、本名は哲治というらしい。

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⬆︎中央に富士山を配しているが、手前は駿河湾だろうか、ずっと手前には魚まで描き込み、奥は一転日本海側の雪景色という、なんとも不思議な絵だ。このように俯瞰した風景も彼の絵の特徴の一つ。

今回は絵以外の展示物も含めて、120点が展示された堂々たる回顧展。章の構成は、

第1章:郷愁の家

第2章:憧憬の山水

第3章:聖なる塔・富士

第4章:孤高の海

第5章:回想の風景

章のタイトルにもなっているが、郷愁とか懐かしさとか、そういうものが前面ににじみ出ている作品が少なくない。全体にセピアの色調の作品が多いこともあるが、描き方に独特の優しさを感じてしまう。

家をたくさん描きこんだ作品が目立つが、そもそも家の形が丸っこくて、そこだけ浮き出るような不思議な感覚を覚える。そして、中に人影があったり、目を近づけて覗き込むといろんなものが見えてくる。

昔、週刊新潮の表紙を描いていた谷内六郎という絵描きがいたが、彼の絵も、見るものを童心に帰らせてしまう雰囲気に満ちていて、作風は違うものの、ふと彼のことを思い出した。

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バックにどかーんと赤錆びた廃船を配したその名も「廃船」!ものすごい迫力だ。ところが、廃船のすぐ手前や、さらにずーっと手前には、例によって細々と民家群を描きこんでいて、ここが不染 鉄の不染 鉄たるゆえんか。

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前述のように、この温かみのある色といい、フォルムはどうだろう。よほど心根の優しい人なのだろう。

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どっしりと根を張るイチョウ。昭和40年というから、74歳の時の作品。繋いでいく命のようなものを感じさせる作品。

ところで、この美術館、何度も足を運んでいるが、東京駅構内という抜群の立地で、しかも広くもない空間を効率的に生かした素晴らしい構造で、実に個性豊かな美術館である。今後も、このような洒落た展覧会をどんどん企画してほしい。それほど世間に知られてなくても、隠れたところに、超一級品を生み出したアーティストは世界中にいくらでもいるはず。学芸員の方々のたゆまぬ努力に大いに期待したい。

OPERAMANIA 2@杉並公会堂

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今まで、随分いろんなコンサートに行ったが、こんなとんでもないコンサートは多分、空前絶後。曲数の多さと演奏時間の長さがハンパじゃない。

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所要時間は、休憩時間(30分)を含めて、実に6時間40分!!!午後3時開演となれば、長くても、せいぜい3時間ぐらいと考える人がほとんど。それがその倍以上だから、途中で帰る人が続出、最後までいた人は、愚亭を含む本当にオペラ好きなファンだけ。更に、終演後の懇親会にも参加したから、11過ぎまで飲んで騒いで撮ってという具合で、今日も帰宅は午前様になった。

さて、肝心の歌だが、これだけ日本を代表するようなオペラ歌手がずらりと揃うと、とてもコメントなど無理。全員の演唱に触れるわけには行かない。それでも、気になった人だけ独唱の出演順で抜粋すると、

小笠原一規、先日の日伊コンコルソの本選では、期待したのだが、選曲のこともあり、上位は取れなかった。んで、今回は、どう挽回してくるか楽しみにしていたら、果たせるかな、独特の柔らかな高音を存分に響かせてくれた。トップバッターという緊張するところもうまく凌ぎ、更に5時間後にグノーの独唱だから、モチベーションを維持するのが大変だったろう。

石原妙子、先日の1010ホールでのトロバトーレを見損なっていたので、楽しみに聞いた。日本人離れした太い高音が出せる技を生かしてのエルナーニは、身震いするほどの出来栄え。

岸七美子、しばらく海外留学していたので、聞くのは本当に久しぶりだ。期待に違わず、すごい進化を遂げていて驚嘆あるのみ。イタリアではソプラノ・ドランマティコと言われたと聞いていたが、誇張でもなんでもなかった。上はもちろんだが、中音以下の響きがにわかには信じられないほど。すごい実力派に成長したものだ。これで歌えるオペラの演目は俄然増えたことだろう。今日歌ったトロバトーレやマダム・バタフライの他、ラ・トラヴィアータトゥーランドット、トスカ、アイーダ、なんでもござれだろう。いやぁ、楽しみになってきた。

山口安紀子、この人、一昨年末の仮面舞踏会で初めてしっかり聞いて、本格的な歌唱力に驚いた記憶があるが、今日もまた、ちょっと粘度が高いとでもいうのか、特徴ある声質を巧みに操って、「仮面」からのアリアと、「歌に行き、恋に生き」を歌った。Vissi d'arteの方は、かのテバルディを彷彿させるテクニックで、Bravissima~!!

中島郁子、メッゾでも、やや地味な存在ながら、うまさはピカイチ!4年ほど前、アプリコ大ホール、オープン15周年事業で演奏されたベートーベンの第九では、一緒に歌わせてもらう光栄に浴したが、その前後にも何度かお聞きしていて、当時から上手い人と思っていたが、今日はまた一段とお上手になられた印象を持った。

城宏憲、今更だが、品格のある発声と舞台姿で、人気急上昇中。最も期待されるテノールの一人であることは間違いない。昨年からはまた一皮向けた雰囲気。

鳥木弥生、藤原歌劇団が誇る、今や日本のメッゾソプラノ界の至宝と言ってもいい存在。カルメンを鑑賞するのは初めてだが、上手い!!の一言。はまり役の一つだろう。歌だけでなく、めまぐるしく変化する表情や身体の使い方は間違いなく超一級品である。

終演近くでシュトラウスを歌った大隅智佳子、板波利加は、まさに至芸と言える演唱を披露し、場内はため息と、大喝采、ブラーヴァの嵐。かくしてやっとなんとか無事に終わった6時間40分のコンサートだった。みなさん、大変お疲れ様でした。

企画・構成・進行すべて一人でやってのけたフランコ・酒井によれば、来年は今回の1/3の縮小した2時間ヴァージョンでやるそうだ。ちょっと残念な気もするが・・・。早速申し込んだ。

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ご覧のように、前の方の席、だいぶ客が帰ってしまった。

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この時点で既に9時45分!

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facebookからお借りした画像。

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懇親会で。中央がフランコ酒井。

#39 文中敬称略