ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

村上敏明テノールリサイタル オール・オペラ・プログラム

10年以上も前から大のファンになっている「世紀のスーパー・テナー」のリサイタル。2005年、同じ小ホールで開催された第3回東京音楽コンクールで3位入賞。(愚亭は1位を確信していたのだが、ソプラノの木下美穂子さんがかっさらってしまった悔しい思いでがある)入賞者特典として東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)が共催となっているリサイタル。
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共演者とピアノ伴奏者がまた豪華だ。
砂川涼子さん、少し肉付きも元に戻って、歌の方も絶好調とお見受けした。
賛助出演ということで、2重唱を含めて3曲だけだったが、透明感に加えて、声量が凄い。ほっそりした肉体から迸るが不思議なほど。

河原さんは伴奏者では、日本でも稀な名伴奏者としてとみに名高い。ソロも数曲ご披露したが、コンサート・ピアニストとしても、十分通用すると思うし、何より表現力豊かな感性が素晴らしい。カヴァッレリーアの間奏曲など、会場全体が陶酔したようだった。

今日の演目はタイトルにも謳っているように、オペラアリア満載。四方八方からブラーヴォの嵐。
f:id:grappatei:20101106202144j:image:left←この凄いラインナップはどうですか。いずれも結構ハードな難曲が多いことに気付かされる。更に驚くべきは、アンコールに4曲。そこでもハードな曲を並べるので、心あるファンはもうやめて欲しいと願うほど。1曲目の「星は光りぬ」は定番で、短いし、楽な方だが、その後がいけない。何と「見よ、あの恐ろしい炎を」(トロバトーレから)で、ラストとハイCが延々と続くアリア。それに、この曲、最後のところは兵隊たちの合唱があってハイCが生きてくるのだが、ピアノの伴奏だけだと何か白ける。更にアンコールは続く。ジョルダーノのフェドーラから「愛さずにはいられぬこの思い」、そしてやっと「女心の歌」でオシマイ。

会場には一見してそれらしいオペラ歌手の姿がチラホラ。また彼が藤原歌劇団所属ということもあり、大御所五十嵐喜好ご夫妻の姿も。
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終演後、自身のCDにサインする村上敏明君。


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