121030 渋谷BUNKAMURA ル・シネマ 原題もA DANGEROUS METHOD 英独加スイス合作 99分 2012 [監]デイビッド・クローネンバーグ(「ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス」、「イースタン・プロミス」どちらもヴィゴ・モーテンセンを起用)
精神科医の話で割に単調で用語が難解で、時に分かりにくい場面も。フロイトとユングの年の差(19)を越えた友情と挫折。父子ほどの二人が、初対面から意気投合、フロイトはユングを自分の後継者とまで考えるようになるのだが、あることをきっかけに二人の間に決定的な亀裂が。
幼児期に父親に弄ばれたことがトラウマになったザビーナ(キーラ・ナイトレー)、ヒステリック症状が高じて、ユングのもとへ治療を受けに来る。彼はフロイトが提唱する談話療法を試したところ、効果てきめん。ところが、そんなザビーナと気がつけば、恋愛関係に。
まったくのフィクションでなく、ところどころ実話に基づいた原作とか。それにしても、世界的に著名なこの二人の精神科医を演じる二人の重厚な演技が見ものだが、それ以上なのはキーラさんだ。
彼女、この役のオファーをクローネンバーグから受けた時は、ヒステリーをどう演じてよいか分からず、躊躇したらしい。それほど難しい役なのだが、これを、これ以上望めない程の見事な体当たり演技で、驚かされる。下あごを突き出すだけで、凄い表情が生まれる。眉根を寄せ、頭をのけぞらせ、これがあの清純なキーラさんかと思うほどだ。
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