ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ジョルジュ・ルオー I ❤CIRCUS展」@パナソニック汐留ミュージアム

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ルオーはそれほど好きでもないのだが、招待券をいただいたので、初めてこの美術館を訪問。平日の午後、かなり空いていてゆったり見ることができた。宗教画的な雰囲気は、多分にステンドグラスを思わせる太い線で縁取られた独特の画風から来るのだろう。ただ、この展覧会は、タイトルにもあるように、彼が幼児期から好きだったとされるサーカスを切り口にして世界中から集められた作品、ざっと90点で構成されている。更に、絵画のみならず、パリのサーカス小屋に関する当時のさまざまな資料も併せて展示、更に動画でも詳しく説明するなど、工夫を凝らしている。

小品が多いが、高さ2Mを越える大作も2点ほど。意外なことに、出光や当館など、日本で所蔵されている作品が少なくない。確かルオー愛好家は日本人、とりわけ女性に多いように聞いたことがある。

単純と言えば単純で、フォルムもそうだが、使用している色がかなり限定されているのも彼の作品の特色か。太い黒い線のほか、青、赤、緑などで画面構成がなされているものがほとんどである。晩年の作品には画面全体に大きな盛り上がりがあり、ざらっとした表面の質感も、壁画を思わせるようだ。

それほど期待していなかったが、案外楽しめたし、それになかなか好感の持てる美術館だった。また近いうちに来てみよう。ルオーの作品だけを小部屋に集めて常設している。7,8点は出光美術館でも常設している。