ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「愛について、ある土曜日の面会室」

121220 銀座シネスィッチ 原題:Qu'un seul tienne et les autres suivrons 仏 120分 脚本・監督:レア・フェネール 典型的な群像劇。3組の別々の話がフラッシュバックを多用しながら、展開されていく。舞台はマルセイユ。南仏とは思えぬ暗く重苦しい雰囲気が支配している。

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アルジェリア人のゾラ、息子を連れてフランスへ来たばっかりに、最愛の息子を殺されてしまう。自分を責め続ける日々。獄中にいる殺した相手にどうしても会わないではいられない衝動にかられて行く。そして、彼女が取った行動とは・・・。

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サッカーに夢中の高校生ロール、ふとしたことで知り合ったボーイフレンドがちょっとした事件を起こして収監されてしまう。何度か面会にいくものの、自分が分からなくなってしまう。

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恋人とうまく行ってないステファン、ある人物から彼の親友で獄中にいる人物と瓜二つなので、多額の報酬と引き換えに身代わりを依頼される。ちゃんと出て来れるか、それすらはっきりしないのに、引き受けるか散々悩んだ末に、出した結論は・・。

こうした異なる三つの話が、ある土曜日の面会室で、交錯する。目新しい手法ではないが、緻密な描き方で、見る者を惹き付ける。それにしても重いテーマだ。ポール・ハギスの「クラッシュ」を思い出した。

#92 画像はALLCINEMA on lineから