ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ジャンゴ 繋がれざる者」

130304 109シネマズ川崎 原題:DJANGO UNCHAINED 166分 米 監督・脚本:クェンティン・タランティーノ [出]ジェイミー・フォックスクリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディ・カプリオ、サミュエル・ジャクソン ヴァルツはこの作品でアカデミー助演男優賞を獲得。だが、ディ・カプリオもジャクソンも見事な演技でノミネートされてもおかしくなかった。

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舞台は奴隷制真っ盛りの深南部、ドイツ人賞金稼ぎのドクター・シュルツが、助手として奴隷のジャンゴを奴隷承認から強奪、二人で順調に賞金稼ぎに励む。途中から凶悪犯探しから、どこかに売られている筈のジャンゴの妻探しへシフト。ついにキャンディ(ディ・カプリオ)という極悪非道の大農場主の下にいることを突き止め、一計を案じて、ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を買い取ろうとするのだが・・・

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冒頭いきなり、「続・荒野の用心棒」の主題歌で始まるとは!初代DJANGOへのオマージュだろうが、それにしてもえらい入れ込みよう。エンディングの色やスタイルもほぼ「続・」を踏襲している。

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⬆「続・荒野の用心棒」(1966 主演のフランコ・ネロは23歳)

 

その「続・荒野の用心棒」でジャンゴを演じたフランコ・ネロカメオ出演していて、ジャンゴに向かって「てめーの名前はどんな綴りか?」、「D-J-A-N-G-O、Dは発音しないんだぜ」に対して「そんなこたぁ知ってるよ」と言って立ち去るシーンは、笑わせる。⬇がそのシーン。右、フランコ・ネロ

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他にもいかにもタランティーノらしい、他の作品を連想させるシーンや仕草が盛り込まれているし、本人も結構長いシーンに登場するなど、彼自身、大いに楽しんでいるのがよく分かる。

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ヴェルディのレクィエムの「怒りの日」を使ったり、ジャンゴの妻の名前はワルキューレに因んでいることをドクター・シュルツが説明する場面があったり、そのあたりも、結構遊んでいる。

 

終盤20分ほどは、これぞタランティーノという激しい打ち合いのシーンの連続。血しぶき、肉塊がとびちり、ちょっとやり過ぎぐらいだが、あまりに派手だから、逆に真実味が薄れて、笑えてしまう。少々惨たらしいが、結構すかっと楽しめる作品だ。舞台が南部だから、ジャンルとしては西部劇(ウェスタン)ではないそうだ。

 

#15 画像はALLCINEMA on lineから