ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「オディロン・ルドン 〜夢の起源〜」@損保ジャパン東郷青児美術館

130503 新宿御苑前の中華「礼華」(ライカ)で、昔の駐在時代の同僚・上司夫妻で楽しく昼食をした後、西口へ回り、久しぶりにカミさんと一緒にこの展覧会を覗いた。

ルドンと言えば、きれいな色彩の花の絵という印象が強い画家だと思っていたら、前半は木炭画を中心に活動していたことが分かる。途中から色彩に目覚めたような感じで一気に明るい作品へ突き進む。しかもその色彩が大変モダンで若々しい。大作は少ないが、魅力ある小品が少なくない。

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これはオルセー美術館にある「目を閉じて」(LES YEUX CLOS)という代表作だが、このスケッチが出品してあった。驚くことに、日本がこれだけルドンの作品を持っていたのかというぐらい、岐阜美術館を中心に、新潟、浜松、鹿児島の美術館からの出品がメインで、海外からはごく限られた出展にとどまっている。

150点ほどの展示だが、油彩は36点のみで、バランスに欠けているのは否めないし、ルドンの主要な作品はまったくと言っていいほど、来ておらずいささか拍子抜けであった。尤も別の角度から見れば、これはこれで意義のある展示かも知れない。

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参考までに、今回展示されていない作品を一枚。PROFILE & FLOWERS。いかにもこれぞルドンという画風で、素晴らしい!テキサス州サンアントニオにあるマクネイ美術館蔵。羨ましい!