ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「オブリビオン」

130603 TOHOシネマズ日劇 原題もOBLIVION(忘却)124分 [監督・原作]ジョセフ・コシンスキー(「トロン」)

 

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嫌になるほど予告編を見せられた作品。満を持しての封切りだ。確かにそれだけ力が入るのも一応うなずける作品に仕上がっていると思った。映像が、この手の作品の中でも、抜群に美しくスタイリッシュ。色彩を白黒灰系でまとめ、無機質感をうまく出している。登場する未来型ヴィークルがどれもいかにももっともらしく作り込んでいるところに、コシンスキーのこだわりが見て取れる。

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時代は今から64年後の2077年。エイリアンとの争いに人類は辛うじて勝利するが、引き換えに地球も月も破壊され、地上はほとんどが放射能に汚染されてしまう。仕方なく人類は土星や、宇宙に浮かぶ超大型浮遊構築物テット(三角形だからかな)に移住。ただ、地球への帰還可能日に備え、ドロン(監視武装球状ロボット、顔がだるまに似ていて愛嬌がある)を活用し、地上千メートルに設けた監視塔(実物大のセットを組んで撮影)から時折、パトロール隊が出動する日々。マウイ島のハレアカラやアイスランドで撮影。

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監視塔に常駐するジャック(トム・クルーズ)とヴィカ(アンドレア・ライズボロ)は公私に亘って良好な関係を築いていた、と思っていたのだが。ジャックが地球上で見つけた墜落した宇宙船内で見つけたカプセルには謎の女(オルガ・キュリレンコ)が。彼女を見た瞬間、猛烈な既視感に襲われるジャック。それもそのはず、彼女とは・・・。

 

実はトムもヴィカも複製人間で、エイリアンに勝ったというのも・・・

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⬆ドロン(地球監視武装ロボット)は顔が怒っただるまのようで、結構可愛い。ただし、もの凄い性能。

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⬆このバブルシップと呼ばれる監視船も実物大で作ったそうだが、実によく出来ているのだ。

 

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⬆アンデリュー・ワイエスの「クリスティーナの世界」が効果的に使われている。

トム・クルーズは、ここでも衰えぬ肉体美と高い運動能力を見せつけてくれて、まさに面目躍如。アンドレア・ライズボロ(ライズブロー?)は、つい最近、IRAを扱った作品「シャドー・ダンサー」で見たばかりだが、本作では更に魅力満開。逆にと言うか、ロシア人のキュリレンコさん、ちょっとばかり見劣りが。チェルノブイリ原発事故を扱ったロシア映画「故郷よ」では、ピタリと決まっていたのだが。

#39 画像はIMdb、及びALLCINEMA on lineから