ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「グランド・マスター」

130604 109シネマズ川崎 原題もThe GrandMaster 一代宗師   香港 123分 [監]ウォン・カーウァイが原案も。音楽は日本人、梅林茂。1997年に中国に返還された香港だが、映画の分類だけは香港のままだし、表示方式も繁体字を使用する。

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主役の葉問(イップ・マン)を演じるトニー・レオンがいい味を。激しい格闘シーンだらけゆえ、1年間、毎日4時間、カンフーの特訓に明け暮れたという。そのぐらいでないと、本物に近い味は出せない。イップ・マンはブルース・リーの師匠で、実在の人物。

 中国武術にも流派が多数あり、それらの統一を目指す動きが、1930年代に繰り広げられる。北の八卦掌の宗師、ゴ・パオセンは引退する決意を。生涯を欠けた南北統一を託せる後継者探しに乗り出す。弟子の馬三も候補の一人だが、パオセンの奥義をただ一人受け継ぐ娘のルオメイ(チャン・ツィ・イー)も名乗りを。ただ、パオセンが指名したのは、南方の達人で人格的にも優れたイップ・マン(レオン)だった。納得のいかないマーサンは恨みを師に向け、あろうことかこれを抹殺したから、さぁ大変。

 時代は、風雲急を告げ、やがて日中戦争へと。彼らも否応なくこの戦乱の中に投げ込まれて行く。国民党側につく者も、日本側につく者も先が見えない中で生きることに必死である。やがて、父の恨みをはらさんと、ルオメイとマーサンの一騎打ちが、雪の舞う大晦日の奉天駅で繰り広げられる。⬇

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私の生まれ故郷の奉天が出て来たり、父親の勤務先の満鉄が出てくるシーンがあったりで、そんな興味も手伝って、興味深く見た。しかし、圧倒的な見せ場は何度も出てくるカンフーの戦いのシーン。中国・香港映画得意のワイア・アクションを多用し、目まぐるしく態勢が入れ替わる格闘シーンが、ますます洗練された超高速撮影方式で、これでもかと展開する。ほとんどアートだ!

 

初恋の来た道」(1999)以来、チャン・ツィイ・イーの主要作品はほとんど見ていて、好きな女優の一人だが、イップ・マンの妻役のソン・ヘギョもなかなか。

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