ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

東邦フィルハーモニー第37回定期演奏会@アプリコ大ホール

130608 この楽団の演奏会はこのところ、毎回聴きに行っている。今回の演目は、

・東邦大校歌

シベリウス カレリア序曲

シベリウス 交響詩「エン・サガ」

ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」

「エン・サガ」は初めて聴く曲だが、かなり風変わりな曲という印象。出だしが、弦の不協和音で始まり、何やら不安げなスタートだが、中盤で東洋風の牧歌的メロディーが楽器を変えて、繰り返され、一転長閑な気配を感じる。終盤がまた、嵐の海に投げ込まれたような激しい演奏で、ちょっと疲れたが、面白く聴けてよかった。

大好きな「新世界より」だが、第2楽章の聴かせどころがえらく早い演奏で、ちょっともの足らなさを感じた。この楽章の前半に入るコントラバスのピッツィカートが心地よい。また、第一プルトだけによる弦の響きが心に染み渡る。

第4楽章、全曲を通じてたった一度だけ鳴るシンバルは、プログラム・ノートによると、機関車がブレーキをかけて連結する場面なのだとか。鉄ちゃんとして鳴らした作曲家らしい逸話だ。

終盤、ホルンの聴かせどころで、しかも厳しい演奏であるスタッカートで盛り上がる場面、導入でホルン・ソロが高音を響かせるが、これがきれいに決まらず、がっくし。奏者もささすがに不満そうに首うなだれていたのが気の毒でもあった。

万雷の拍手の中、指揮者がソロ演奏をした奏者を次々に立たせて喝采を浴びさせる、おなじみのシーンで、涙ぐむ女性が何人か。恐らく今日が最後の出番で、感極まったのだろうか。

今回は、特に弦楽器の配置を大胆に変更していたのが気になったが、何か意図があったのだろうか。

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