ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「華麗なるギャツビー」

130617 109シネマズ川崎 原題:THE GREAT GATSBY 142分 [監][製][脚]バズ・ラーマンカメオ出演も)(「ロミオ&ジュレイット」、「ムーラン・ルージュ」、「オーストラリア」オーストラリア出身らしい作品とキャスティング、顕著)

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1974年の同名作品(ロバート・レッドフォードミア・ファロー)を見ていないし、原作未読状態で見た。

いかにも古いフィルムという風情で白黒画像が映し出され、それに徐々に色がつき、最後は派手な色彩に変化していくという冒頭は素晴らしい。因に、エンディングはその逆となる。そして、アール・デコのデザインが生き生きと使用されていて、この時代の雰囲気を醸し出す効果も。

 

142分を特に長く感じなかったから、それなりに見応えがあったということだろう。何と言っても狂乱の1920年代初頭の、日本のバブル以上の狂乱ぶりの一幕がパーティー・シーンで垣間見えるところが見せ場の一つ。そこら辺はうまく撮っていたのではないか。プラダ、テファニーが全面協力で、衣装も宝飾品もえらいド派手ぶりが強調されていた。

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トビー・マグワイア演じるニック・キャラウェイが主役で、彼の目で見たギャツビーを観衆に見せるという風に描かれている。この人物は原作者スコット・フィッツジェラルド自身でもあるのだろう。敢えて目立たないキャラのトビーを当てているのは一応成功しているし、ギャツビーのディカプリオもいい。もちろん、ギャツビーにも作者の姿が色濃く投影されている。

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問題はデイジーのキャリー・マリガン(キャリーより、ケアリー表示の方が実際の発音に近いと思うが)がパッとしない。うぶな見かけとは裏腹に計算高い女だが、ちょっとミスキャストの印象。

 

この役には、キーラ・ナイトリー、アマンダ・セイフリッド、レイチェル・マッカダムス、アン・ハザウェイ、スカーレット・ヨハンソン、エヴァ・グリーン、ナタリー・ポートマン他計13人が候補に上ったというから、厳選の結果にしては、チト弱いなぁ。

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舞台はNY州ロングアイランド。極貧からの叩き上げのジェームス・ギャッツ、幼い頃から上昇志向が人一倍強く、あることをきっかけに富豪へとのし上がる、いわゆる成金。オックスフォード出身説もあるが、謎多き人物で何かと話題に。

 

昔愛し合ったデイジーを忘れられず、出征から無事生還し、再会のチャンスを伺うこと丸5年、やっと夢が実現するのだったが・・・。9分9厘成功しかかったの、どっかで小さな歯車の動きに狂いが。

 

予想外の展開、彼にあのような末路が待っていようとは!あそこはどうしてもギャツビーに感情移入してしまう。で、後味、はなはだ悪し。

 

ところで、THE GREAT GATSBYを何故「華麗なる」としたか。かなりの飛躍だと思うがこれが、あのド派手な前半生を表現するものだろう。ニックがストーリーを書き終え、最後にタイプしたタイトルに、手書きでTHE GREATと入れるところで、ジ・エンド。

 

クレジットには勿論登場しないが、監督がカメオ出演出演している。給仕人として、ほんのワンショットだけ登場するが、彼の顔を事前に覚えておかないと気がつかない。

 

#44 画像はALLCINEMA on line