ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「トゥ・ザ・ワンダー」

130812  予告編で見たいと思った作品。なにせ 脚本・監督がテレンス・マリックだから、興味津々。せりふがほとんどなく、映像詩という趣き。パリ、モンサンミッシェルオクラホマのちっぽけな町の三カ所が舞台だが、やたらめったら、映像がきれいだ。ストーリー展開と余り関係のないような、思わせぶりのショットも多数挿入されている。どれも、登場人物の心象風景なのだろう。因にタイトル、トゥ・ザ・ワンダーのワンダーはモンサンミッシェルを指しているようだ。

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まるで静止画のような映像が次々と。f:id:grappatei:20130813141435j:plain

パリで知り合った男女、モンサンミッシェルで愛を確かめ合い、彼の故郷、⬆オクラホマへ行ったものの、心の微妙なずれから挫折。女はパリへ一人娘と戻る。愛の不毛、まやかし、みせかけの愛を淡々と描く。BGMにクラシックが効果的に多用されていて、セリフの代わりに通奏低音のように流れる。

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オクラホマで知り合った神父(ハビエル・バルデム)も、神との対話に行き詰まっている。そんな神父を彼女は自分と同類項としての親しみを感じる。

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 ⬆幼なじみの女友達(レイチェル・マックアダムス)に愛情を感じ始める彼。

学生時代に見たミケランジェロ・アントニオーニの「情事」(1962)を思い出した。

 

#62 画像はALLCINEMA on lineから