ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

久しぶりに2本だてを見る

130826 近くのキネカ大森で2本立てを。飯田橋のギンレイホールで見たのが二本立てを観た最後だから、数年振り。「青春の蹉跌」と「インターミッション

前者は1974年作品だから、40年も昔の話題作。主演のショーケンが、当たり前だが、若くてキビキビしている。人気が出るのも頷ける。一方の桃井かおりも、半裸の体当たり演技。確かに演技力はこの頃から図抜けていることが分かる。ショーケンの婚約者役の檀ふみなど、学芸会並みの演技だからねぇ、なにせ。ストーリーはハリウッドの「日の当たる場所」そのもの。

つきあっていて、はらませてしまった彼女が、良家の娘との結婚の邪魔になって、殺してしまうという、余りにも一方的な男の話だ。監督の神代辰巳は、ロマンポルノ系作品で知られているが、こんな素晴らしい作品も残しているのだ。

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インターミッション」は、今年の3月で閉館になった銀座のシネパトスを主人公にした異色作。大地震と原発事故の余波を受けて、閉館決定となり、この昭和感たっぷりの映画館を愛した熱狂的なファンを代表して樋口尚文が腹立たしさを込めた作品。

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出演者の数と質がハンパではない。一種のオムニバスでもあろうが、アドリブだけで撮ったと思われる竹中直人⬆とか、実際のその場でインタビューした筈の、香川京子⬇の名監督の思い出ばなしや、新旧取り混ぜてごった煮感が、哀愁を漂わせる見事な作品。期待以上の出来映えで、お得感。

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それにしても、月光仮面の大瀬康一やらウルトラマンの古谷敏まで観客として登場させるとはねェ、やるもんだ。

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⬆ラストシーン。吹っ飛ばしたシネパトスの輝きを見上げる3人。右端は支配人役の秋吉久美子

ところで、この映画館、1967年に開業していた銀座地球座と銀座名画座を一緒にして1987年にシネパトスの名前でヒューマックスが運営とあるが、自分の記憶では、豊洲に住んでいた小学生時代に家族で何度か映画を見に来ているから、昭和29年頃にはすでに映画館としてあった筈である。もしかすると地球座か名画座の前身かも。

#67&68 画像はALLCINEMA on lineから