ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ヴェルディ生誕200周年記念ガラコンサート@文京シビック大ホール

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夏頃から楽しみにしていたフランコ酒井氏が企画・構成したコンサート。上手い具合に一日違いで快晴になった。

とにかく出演陣が素晴らしい!!!

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よくぞこれだけ名だたる名歌手を集めたものと感心。ややフランコさんの好みでテノ−ル陣に分厚くなった印象は拭えない。

それにつけても、フランコさんの誇るテノール陣の一翼を担う笛田博昭氏の体調不良による突然の欠場は残念至極!ま、何から何まで上手く行くとは限らない世の中、仕方ないよね。

さて、出演歌手が多いゆえ、一人1曲かせいぜい2曲という、実に贅沢なコンサートになった。冒頭と、第1部最後の「仮面」、野田ヒロ子さん村上敏明さんの二重唱は、息もピッタリ、声質もよく合っていて、見事という他に言いようなし!

#2が事実上最初の演目となったが、ミラノから一時帰国中の板波利加さん、上手さをいかんなく発揮した演唱。日本にもこんなドラマティック・ソプラノが出て来たなぁという印象が強い。やはり国際級というのはこういう演唱を指すのだろう。

フランコさん、毎度のことだが、解説が実に達者である。が、今日はさすがに少し緊張したのか、最初の演目紹介を#3のアビガイッレの詠唱と勘違いして、結構長々と解説していて、途中でやっと気づくと言う一幕も。#3も板波さんが得意とする演目だから、無理もない。

そして、その後を受けた丹藤亜希子さんも板波さんに勝るとも劣らない力量をいかんなく発揮、やはり盛んにBrava!が飛んでいた。

#4の岡田尚之さんは、実は初めて聴くが、正統派の美しく磨き上げたテノールだ。小柄だが発声、素晴らしい!

#5の山口佳子さん、以前も何度か聞いているが、気品ある歌声はさすがである。最後のEsもきちんと出されていた。このEsにまつわる話、フランコさんからなかなか興味深い話が聞けたのも収穫。

#5で舞台袖から、そして#7を歌われた大澤一彰さん、絶好調じゃなかったかしら。元々高音の得意な方だが、今日はまた一段と美しく響いていたようだった。同じく#7でLA DONNA E' MOBILEを歌った村上公太さん、まだ若いが、聞くたびに上手さを増していると、今日、この曲を聞いていてつくづく思った。これからが楽しみだ。

#7メッゾの鳥木弥生さんは、既にうまさと舞台映えには定評があり、今日もまた冴えていた。余り付け加えることなし。

#9のチェ・スンピルさん、初めて聴くが、上手い!声もいい!さすがフランコさんが選んだだけのことはある。この詠唱の聞かせどころで、ホルンがかなりの音響で吹き鳴らし、声が余り聞こえなかったのは残念至極。この辺、マエストロはホルンを抑えるなりの工夫が出来なかったのかしら。もったいない!

#10の大隅智佳子さん、上手さに定評あるし、今日も素晴らしい声を響かせたのだが、何故正面を向いて歌わないのか、不思議だ。登場した時から、身体全体を45度ほど斜めにして、つまりマエストロ側に向けて歌っているのだ。従って、左側セクションに陣取っている聴衆には、時に真横になって歌っていることになる。マエストロも大事だが、やはり正面を向いて歌って欲しいと思うのは間違い?

いやぁ、とにかく滅多に聴けない素晴らしい歌唱のオンパレード、これで笛田さんがいればなぁ〜、とまた少しぼやきが出たところで、終演。5時半、ということは途中20分の休憩時間を除いて、実に3時間を越える大演奏会となった。

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これから「リア」の稽古に出かける大澤一彰さん、休憩時間にちゃんとこうして挨拶に出て来られた。(因に、板波利加さんの方は、と言うと・・・とっとと先に稽古に行ってしまっておりました!)そして、その後出て来られた村上敏明さんとの豪華ツーショット。元々お二人は藤原でご一緒だった仲。

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