ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「モローとルオー展」@パナソニック汐留ミュージアム

131107

f:id:grappatei:20131109220743j:plain

この美術館は、かなりルオーの作品を所蔵していることはよく知られている。今回は、その師匠に当たるギュスターブ・モローの作品も展示して「師弟を越えた、魂の絆」と、少々大げさな副題をつけての展覧会。油彩が中心だが、素描や書簡なども加えて、約70点と小規模ながら充実の展示。

f:id:grappatei:20131110122429p:plain

f:id:grappatei:20131109221310p:plain

f:id:grappatei:20131109221338p:plain

ルオーがパリの国立美術学校、いわゆるエコール・デ・ボーザールに入学した時には既に老境に達していたモローだが、ルオーの才能に誰よりも早く発見、とりわけ目をかけて育てたようだ。そこには普通の師弟の関係を越える愛情があったらしい。よく知られた逸話として、弟子が書いた作品を師匠がスケッチするという、一般的にはあり得ないようなこともあったというから、余程の関係だったのだろう。

晩年、モローが自宅を改装して自作をぎっしり並べた美術館を建てた訳だが、モローの死後、愛する一番弟子ルオーが初代館長になったのは当然の成り行きだろう。一時、ルオーは家族ともどもここで生活していたようだ。

こうした深い関係を結んだ師弟の作品が並ぶ空間は、独特の雰囲気を醸し出している。

なお、上の画像の一部は同展ホームページからお借りした。

美術館に行く前に、友人と麻布十番界隈を歩いていたら、麻布山善福寺の前に出た。

f:id:grappatei:20131109222528j:plain

初代駐日アメリカ公使、タウンゼント・ハリスが住んだ宿館跡の石碑が。この善福寺だが、開山が824年というから驚く。東京では、浅草寺に次ぐ古い寺。例の弘法大師高野山に似せて作ったそうだ。虎ノ門は山門跡、杉並の善福寺池は、何と奥の院跡というから、びっくりの寺領の広大さだ。都心の名刹ゆえ、政界、財界の大物の葬儀がよくここで行われる。