ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に「印象派を超えてー点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」

131111 現在国立新美術館で開催中のこのクソ長い名前の展覧会へ。六本木駅を出ると雨。予報でそんなこと言ってなかったのに。最近の予報は、その日の天候も当てられない情けなさ。

さて、切符を買う寸前に、「待てよ、どこかで見たような」と思いつつ・・・¥1500を払った。

このオランダの美術館、名前は昔から知っていたが行ったことなし。従って、大半が今日初めて見る作品。油彩を中心に74点を同館から借り出している。他は国内の美術館から借り出して全部で丁度100点になるように展示されている。章立ては以下。

第1章 印象派の筆触

第2章 スーラとシニャック 分割主義の誕生と展開

第3章 ゴッホと分割主義

第4章 ベルギーとオランダの分割主義

第5章 モンドリアン 究極の帰結

まぁ、要するに印象派がどうして誕生して、それが更に色彩分割に発展(?)、行きつく先に何が出て来たかという、その流れを紹介したかった企画展でしょう。そこへクレラー=ミュラーから大量(?)に借り出すことに成功したので、これをベースにして、国内からそれらしき作品を探し出し、一緒に展示したという、結構意欲的な企画だと思うね。

絵の具をこねまわしてキャンバスに混ぜた色を乗せるより、元の色はそのままにしてキャンバスに並べ、見る側が脳内で混ぜてみるとどうなるか、という科学的分析が出発点の様子。そうした理論に深く傾斜したのがスーラであり、シニャックであり、更にはベルギーやオランダにも分割主義者が次々に誕生し、最後(?)は、モンドリアンの極めて大胆かつ精緻な作品へ。久々に面白い展覧会だった。

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シスレー、「舟遊び」 島根県立美術館

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モネ、「藁葺き屋根の家」 上原近代美術館蔵

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スーラ、「グラヴリーヌの水路、海を臨む」 (注:グラヴリーヌとはカレーにある水路)

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シニャック、「ダイニングルーム」

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スーラ、「ポール=アン=ベッサンの日曜日」 (注:コタンタン半島付け根、英仏海峡に面する小さな港町)

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ゴッホ、「レストランの内部」 壁面などに鮮やかな点描が見られる。

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ゴッホ 「種まく人」点描画法、奥に行くほど細かい点を使用しているのがよく分かる。

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テオ・ファン・レイセルベルヘ「庭園に集う家族」

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モンドリアン 「コンポジション No.II」となり、そして

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これが100点目の作品で、この後は出口。

こう言っちゃ身も蓋もないが、国内所蔵作品には残念ながら、余りいいのがない。クレラー=ミュラー所蔵の作品群はさすが素晴らしい!

帰宅したら、恐れていた通り、この展覧会の招待券が。