ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「マラヴィータ」

131121 原題もMALAVITA(悪の世界、犯罪社会、この作品では犬の名前にも使われているが、愛犬になんという名前をつけるかねぇー)製作総指揮にマーティン・スコセッシ、脚本・監督にリュック・ベッソンと来りゃ、面白くない筈はない。

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原作の「隣のマフィア」(トニーノ・ブナキスタ)は以前読んだことがあるが、それほど面白いとは思わなかったから、映画になって面白かったのはそれなりに脚本が良かったのかな。

 

ノルマンディーの片田舎に、証人保護監察スキームで送り込まれた元大物マフィア、ブレーク一家が、そこで繰り広げるハチャメチャな話だ。

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主人公のフレッド(デ・ニーロ)は、一見まともだが、持ち前の狂気が時折炸裂、いい加減な対応をした配管工を半殺しに。(バットを後頭部に振り下ろすところは「アンタッチャブル」のシーンへのオマージュ?) 女房マギー(ファイファー、老けた!)も、近所のスーパーへ行って、地元の連中からアメリカ人の陰口を散々聞かされたことに腹を立て、スーパーを爆破するという、とんでもない夫婦。娘も息子も負けてない。特に娘は可愛く従順そうに見えるが、父親譲りの凶暴さが「売り」。

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この連中を監視するFBI捜査官にトミー・リー・ジョーンズ。これがいい味を出しているし、デ・ニーロとの掛け合いが楽しい。本作の一つの見せ場にも。

 

地元民とも打ち解け始めた頃に、突然アメリカからこの一家の殲滅を図るマフィアが徒党を組んで完全武装で登場。居所情報が漏れたらしい。ワルが田舎町に到着するシーンは「真昼の決闘」を思い出す。

 

フランスの田舎町というのに、地元民のほとんどが英語で意思の疎通ができるというのは余りにリアリティーに欠ける。本来なら、この一家がたどたどしい仏語を使うんだろうが、ま、そこは映画だから、仕方ないか。

 

ド派手な結末が原作と違うところだろう。まぁ楽しめた一作。マフィアを絡めた喜劇となりゃ、デ・ニーロしかいないでしょう、この役が出来るのは。

#96 画像はALLCINEMA on lineから