ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「バーニー/みんなが愛した殺人者」

131215  原題:BERNIE 2011米 99分 脚本・監督:リチャート・リンクレイター(「ビフォー・サンセット」、「ビフォー・ミッドナイト」)出演:ジャック・ブラックシャーリー・マクレーン(79歳にしては老け過ぎ。皺とシミが凄いことに)

テキサス州の田舎町カーセッジ(カルタゴの英語読み)で起きた実話を基にしているブラック・コミック。

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⬆「おくりびと」のように、遺体の化粧法について実演するバーニー

葬儀屋助手バーニー(ブラック)は陽気で気立てがよく、機転が利くので、誰からも好かれる町の人気者。葬儀を彼に任せてくれた遺族への気配りの仕方も尋常ではない。一方、町一番の富豪の未亡人マージョリーマクレーン)は、無愛想の上、超偏屈で、こちらは町一番の嫌われ者。

 

バーニーはそんな女にすっかり気に入られてしまったから、さぁ大変。いつしか、二人は一緒に住み始めることに。しかし、余りに自由を束縛されたバーニー、ふとした弾みで、庭を荒らすアルマジロ撃退用の銃で、マージョリーを後ろから撃ち殺してしまう。

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⬆懸命にマージョリーに尽くすバーニーだったが・・・

もともと殺意があったわけでなく、魔が差してしでかしてしまっただけなので、すっかり動転、とりあえず地下の大型冷蔵庫に死体を隠すことにして、彼女を病気ということに。そして彼女の大金を次々に慈善活動に費やして過ごすが、異変に気付いた投資会社の営業マンが警察に通報、ついに御用となる。

 

で、裁判。陪審員は町の善意の人ばかりで、同情がバーニーに集まるのは必至。「あんなくそばばぁ、くたばったって構うもんか。それより、バーニーが可哀想」町中がそんな声に満ちていたのに、蓋を開けてみれば、第一級殺人罪で、終身刑の評決と、意外な結果に。

 

感情より理性をしっかり優先させ、飽くまでも法に則って評決を出した陪審員は大したもん。一方、今も刑に服しているバーニー、刑務所でも相変わらずの人気者で、料理教室を開いたりして、今日も大忙し。

 

エンドロールで、実際のバーニーやマージョリーの写真が映し出される。またジャック・ブラックが実物のバーニーに話を聞いている様子なども。映画に登場する町の人々は、実際、カーセッジの住人たちだ。

 

 

#105 画像はALLCINEMA on lineから