ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ルートヴィヒ」

140117  原題も:LUDWIG II 140分 独 []マリー・ノエル、ピーター・ゼアー []マリー・ノエル

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⬆父王マクシミリアン2世が急逝、突如国王になってしまったルートヴィヒ2世、文化・芸術大好き人間だから、国のことより、自分の趣味を大事にする始末。

同じルートヴィヒを描いた作品としては、ルキノ・ヴィスコンティの「ルードヴィヒ/神々の黄昏」が余りにも有名。本作も、ほぼこの”狂王”と呼ばれた、哀れな(と言ってもいいと思うが)バイエルン国王の青年期から没するまでの半生を、スタッフ・キャスト陣のほぼすべてドイツ人で製作している。

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⬆実際のルートヴィヒもなかなか見目麗しかったようだ。かなりのナルシスト、女嫌いで、臣下の一人とも妙な関係になるワ、婚約した、例のエリーザベトの妹ゾフィーとの婚約も散々引き延ばした挙げ句、破談にするなど、やることなすこと、呆れるばかり。

2時間20分とやや長いが、それなりに見せ場が次々に設定してあり、まずまず飽きることなく最後まで楽しめた。映画としては、凡庸なの出来かも知れないが、風景も美しく、出演者、特に主人公を演じたルーマニア出身のザビン・タンブレア、長身白皙の美青年が頗る魅力的であり、見応えはそれなりにあったと思う。

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⬆楽劇「ローエングリン」に熱中する余り、ワーグナーを信奉、ついに宮殿に招き入れ、家族並みに遇する。国王の信任を得たワーグナーは調子に乗って、政治にまで容喙する始末。

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それにしても、こんなとんでもない国王を戴いちゃった国民はたまったもんじゃない。早く死んでくれてホッとしたことだろう。ま、でも考えようによっちゃ、彼がいくつか立派な城を残してくれたお陰で、今はその観光収入で多少なりとも国庫が潤っているかも。

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 ⬆建築中のノイシュバンシュタイン城を眺めながら、何を考える”狂王”

 

#2 画像はALLCINEMA on line 及びウィキペディアから