140122 先日、レクチャーを聞いたばかりのピュヴィ・ドゥ・シャヴァンヌ展へ。
油彩、約50点、デッサン、72点、彼の影響を受けた日本画家の油彩が9点、同じくデッサンが8点ほどで、量としては、いささか少ないが、それは前回も書いたように、シャヴァンヌが描いた主要作品は、主としてフランス国内の公共建造物の壁画であることによる。
特に⬆にもあるような横長の大壁画を得意としており、このスタイルは後の、たとえばスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」や、同じくゴーギャンの「我々はどこから来たか、我々は何者か・・・」などへの影響は顕著で、更にはっきり影響を受けたとされる黒田清輝が、今回、同じ手法で制作した横長作品が展示されている。
⬆ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」
⬆ゴーギャン、「我々はどこから来たのか、我々は何ものか、我々はどこへ行くのか」
黒田清輝 《昔語り 下絵(構図Ⅱ)》 1896年 油彩・カンヴァス 東京国立博物館蔵
大壁画を書くための習作が多く展示されていたのと同時に、逆に壁画を描いた後に、美術館で見てもらうためと思ったのか、縮小サイズの油彩画も展示してあり、興味をそそられた。こうした、淡い色調を用いて群像壁画をメインに描いた近代画家は、世界的にもかなり稀な存在だろう。
ルーブルの本館の壁面に描かれた彼の作品を見たのがシャヴァンヌに触れた最初だったような記憶がある。最初は余り気にも止めていなかったが、徐々に彼の持つ独特の装飾性溢れる世界に惹かれていった。