ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ペコロスの母に会いに行く」

140204 なかなかの評判なので、普段は余りこうした作品を好んで見る方ではないが、たまたま近所でやっていたので、見に行ったが・・・。まぁ大感動というわけでもなく、ホロリとすることもなかった。予告編効果か分からぬが、おおよそ展開が読めてしまうからなのか。[監]森崎東

f:id:grappatei:20140204114551j:plain

⬆こうしてはげ頭を触らせないと、自分の息子と認知できない母、みつえ。

 

そもそもオリジナルが漫画だったということも知らなかったレベル。岡野雄一の同名の漫画を実像に置き換えた作品。主演、おかのゆういち役の岩松了の控えめな演技が実によかった。赤木春恵も自然な演技でもちろん不満なし。

 

長崎の海を見下ろすごく普通の家が舞台。既に認知症が進行中の母、みつえを愛情豊かに見守り、接する一人息子のゆういちとその息子のまさき。それに、若き日のみつえ、夫のさとるがフラッシュバックで登場する。

f:id:grappatei:20140204114613j:plain

⬆自宅駐車場で、ぼんやりと息子の帰りを待つ母。

 

自宅での介護が限界を越えたと判断し、施設にみつえを預けることになる。しかし、環境の急変に戸惑うみつえは、先住民たちと小さなトラブルを起こしつつも、次第に慣れて行くように映るが・・・。

 

認知症が進行していく過程で、若き日の自分、及び関係の深い人物がどんどん登場するようになっていくタイプもいるらしいが、みつえが正にこの症状で、周囲はともかく本人は結構幸せな気分を味わえるようだし、家族はこれを暖かく見守るしかない。

 

久しぶりに見た島かおりが、老いても相変わらずチャーミングだった。一青窈の主題歌「霞道」が、エンディングできれいな余韻を残した。

 

因にペコロスという言葉は知らなかったから、カミさんに聞いたら「小さい玉ねぎでしょ?」と。さすが主婦長くやっているから知ってた。作品では、主人公のはげ頭を指す。

 

この言葉、語源不明。想像だが、ヨーロッパから入ってきた言葉らしいというから、イタリア語の小さいを意味するピッコロではないか。仏語,西語、葡語には、この発音に似た単語で「小さい」「玉ねぎ」を意味するものはないから。

 

 

#9 画像はALLCINEMA on lineから