ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「LIFE!」

140325 原題:THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY 余りパッとしない俳優という認識しかなかったベン・スティラー、案外多彩なキャラクターを持つ男だったようだ。お見それしやした。

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製作・監督・主演と、映画人なら誰でも目指すような自作自演達成だからね。まったく目立たない風貌、白人には珍しい小男で、しかも脚はO脚。ついでに共演の女優、クリステン・ウィグさんも負けずにパッとしない、その辺にいくらでもいるような普通のおばさん風。美男・美女でないのが、却ってよかったと思える作品。

 

日本でも一世を風靡した写真誌「ライフ」のネガ管理部に所属する、空想家ウォルター(スティラー)、社内でもまったく目立たない存在だが、ある事件をきっかけに生まれ変わったのように冒険心に満ちた、未来志向の勇敢なヒーローに変身する。

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落ち目の「ライフ」も、到頭最終号を出す羽目に。その表紙を飾るはずのネガ25番が何故か保管してあるファイルから抜け落ちている。何とか期限までにこれを探し出せなくてはならなくなったウォルター、撮影したレジェンド、カメラマンのショーン・オコンネル(ショーン・ペン)に直接会うしかない。彼を求めて秘境から秘境を訪ね歩くウォルター。果たして、ネガは無事見つかったのか。

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アフガニスタンの高地山岳地帯で、やっとカメラマンに出会ったウォルター、彼のファインダーに映っていたのは、彼が追い求めていた雪豹!絶好のシャッター・チャンスなのに、シャッターを押さないショーン。心に何かが響いた時でないと、シャッターは押さない!と。

 

ネガを探し求めて地球をさまよう内に、彼の心に微妙な変化が。追い求めるネガより、もっとずーっと大切なものの存在に気付いたウォルター、そしてキオスクで偶然見かけた「ライフ」最終号の表紙に映っていたものとは!

 

何しろ凄い空想家だから、前半はひっきりなしに空想シーンが出て来て、慣れるまではしばらく戸惑うが、その内に、「ははぁ、今は空想中だ」ってはっきり判断できるように。

 

久しぶりに実話に基づかない作品を見た。ただし、これはリメイク。何と1947年!の「虹を掴む男」(ダニー・ケイ主演)である。

 

主人公の母親役にシャーリー・マクレーン(今年で80歳)、伝説のカメラマンにショーン・ペンと、脇役に凄い俳優を起用しているのもびっくりだ。また、エンドロールは、ポジフィルムを繋いだような流れで、実に楽しい。なお、この邦題は秀逸だ。

 

 

#23  画像はALLCINEMA on lineから