ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「眠れる美女」

140330  原題も:BELLA ADDORMENTATA眠れる美女)2013年、伊 115分 原案・脚本・監督:マルコ・ベッロッキオ 出演陣がまことに豪華!トニ・セルヴィッロ(名優にふさわしい演技だ)、イザベル・ユペール(老けたが、巧い!それに伊語も完璧)、アルバ・ロルヴァケル、マヤ・サンサ(相変わらずいかつい顔だが、いいね!)、ジャン・マルコ・トニャッツィ(ウーゴの息子、「はじまりは5つ星ホテルから」)ついでに監督の息子も結構重要な役で登場している。ピエール・ジョルジョ・ベッロッキオ。

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いわゆる尊厳死を扱った作品。これも実話に想を得てベッロッキオが作ったもの。2009年、交通事故で植物人間になったエルアーナ・エングラーロの延命措置を巡り、国会でも騒動に。なにせカトリック国ゆえ、簡単には行かないのだ。

 

これを背景にして、3つの異なる話を、同時進行させていく群衆劇手法が取られている。第1話 国会議員ウリアーノには嘗て自らの手で妻の延命装置を止めた辛い経験がある。以来、娘、マリア(ロルヴァケル)⬇との間はギクシャクしっ放しで、それも苦にしている。そのマリアだが、ふとしたきっかけである男と親密になり、そのことがキッカケで父親へのわだかまりが少しずつ解け始める。

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第2話 勤務する病院に担ぎ込まれた自殺願望の未知らぬ女ロッサ(サンサ)を、医師としての立場を越えて、純粋に人道的立場から身を挺して食い止めようとするパッリド(ベッロッキオ息子)⬇

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第3話 植物人間状態になった娘の看病のため、輝かしき女優人生を棒にふろうとする母(ユペール)⬇を、何とかして復帰させたい俳優志望の息子が、妹の延命装置をはずそうとし、義父ともみ合いになるが・・・。

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親子、家族、恋人、命、正義などをテーマにして、観る者にそのあり方、処し方を真摯に問うマルコ・ベッロッキオの映像スタイルが素晴らしい!

 

 

#25 画像はALLCINEMA on lineから