ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ぼくたちの家族」

140626 117分 脚本・監督は「舟を編む」の石井裕也 

バラバラになりかかる家族が、母親の脳腫瘍発症をきっかけにまとまって行く過程を丁寧に描いた作品。よくある話だし、大感動と言う訳ではないが、自分の中ではそれほど期待していなかったせいか、まあまあの作品だった。

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かなり無理をしてローンを組み、そして手に入れた立派な邸宅。東京郊外のニュータウンではあるが、幸せも手に入れた・・・筈だった若菜家の4人。それに、少し古いが立派な車もある。

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主婦の玲子(原田美枝子)、最近物忘れが激しい。友達との会話でも、突然、意味のない言葉を口走ったり・・・。冒頭のシーンはこの原田のドアップである。シミや皺が丸見えで、かなり残酷!

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長男が初孫を授かるというので、さっそく嫁の両親も一緒に「うかい鳥山」で前祝い。その席でも、嫁の名前を間違えたり、意味のない発言を繰り返し、大失態を演じる玲子。たまりかねた夫の克明(長塚京三)は近所の総合病院の脳外科での精密検査に玲子を連れ出す。そこで告げられた病名は、脳腫瘍。それもかなりの進行していて、余命いくばくもないとも。

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大学生の次男も交え、3人で相談するが、

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普段は甘えん坊の次男、俊平(池松壮亮)も、次第に自分が何をすべきかを覚り始め、人間的にも大きな成長を見せる。

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長男、浩介(妻夫木聡)は仕事も忙しい上に、身重な妻を抱え、重圧がずっしりとのしかかる。長男としての自覚が強すぎるタイプ。そう言えば、子供の頃、引きこもりも経験している。それを思いやる俊平。これまで割に疎遠だった二人が、緊急事態に直面し、信頼し合い、協力し合って成長していく姿が清々しい。

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次男の奔走もあり、やっと引き受けてくれるいい病院が見つかり手術も成功、再び一家に平和が訪れ、笑顔が甦る。男の子たちって、イザとなると頼りになるねぇ〜。羨ましい!

#53 画像はALLCINEMA on lineから