ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ママはレスリング・クイーン」

140811 このところ、せっせと音楽会に通っていて、映画を見る暇がなく、ひさしぶりに映画館に脚を運んだ。

仏 97分 原題:LES REINES DU RING (リングの女王たち)[監]ジャン=マルク・リュドニキはテレビ番組の監督多数。劇場映画はほとんど撮っていないので、これが日本公開最初の作品。 [出]マリルー・ベリ(「みんな誰かの愛しい人」)、ナタリー・バイ(「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」)、アンドレ・デュソリエ(「ピエロの赤い鼻」、「風にそよく草」)

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スーパーのレジ係たちが、信じられない変身を遂げる。

舞台は北フランス。英仏海峡に面する田舎町、ブーローニュ・シュル・メール。ささやかな犯罪で拘置所暮らしを終え、出所したローズ(マリルー・ベリ)は、町のスーパーでレジ係の口にありつく。自分を待ってくれている筈の一人息子は、刑期を終えるまでの約束で預かってくれている里親にすっかりなついてしまい、自分にはよりつかない。

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息子が今夢中になっているプロレス(フランスではキャッチと言う)で、なんとか局面打開を図ろうとする。同僚たちにプロレスを始めないかと誘うものの、当然この突拍子もないアイディアに乗る者はいない。あの手この手を繰り出して、ついに前代未聞、スーパー・レジ軍団を結成、ハードなトレーニングに精を出す。

そして、この田舎町にメキシコのプロレス(ルチャ・リブレ)のレスラーがやってくる。見ると、みんな凄い身体をしていて、誰が見てもレジ係に勝ち目はない。そして、大観衆の見守る中、ゴングが鳴るのだった・・・。

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ひと月前に見たオランダ映画「人生はマラソンだ」に共通するテーマ、家族愛を取り戻すために、何かをなしとげようとする人々の話。お涙頂戴ではないが、ちょっぴり感動することは間違いない。

ただねぇ、プロレスなんて、そんなチョロイもんじゃないからねぇ、素人のおばちゃんたちがチョコチョコっとトレーニングしてリングに上がれるって、アンタ、余りにリアリティーがないのでは、と思っちゃうね。ま、そういうツッコミは遠慮しておこう、この際。

出演者たち、やはり結構この作品のためにトレーニングはしたらしい。そりゃそうだ、一応、それなりの格好にはなっているし、フル・ネルソン、エルボー・スマッシュ、ダブル・スープレックスや、ラリアットなど大技が登場するから、その辺りは褒めてあげたいね。スタントを使わないで、自分たちで演じたというから、見上げた根性だ。

#65 画像はALLCINEMA on lineから。