ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ウッフィーツィ美術館展

141119 シニア無料デーを利用して、東京都美術館へ。ウッフィーツィとは言うが、実際には、その他の美術館からの出品もあり、厳密にはウッフィーツィ及び周辺美術館展だろう。実際、よく説明書を見ると、ウフィツィ美術館に所蔵されている作品をメインに、アカデミア美術館、パラティーナ美術館、捨て子養育院美術館などフィレンツェを代表する美術館から作品が集結という風に書かれている。全部で75点だが、例によってB級小品も結構含まれているから、注意。

構成は、

第1章 大工房時代のフィレンツェ

第2章 激動のフィレンツェ、美術の黄金時代

第3章 「マニエラ・モデルナ(新時代様式)の誕生

第4章 フィレンツェ美術とメディチ家

ペルジーノ、ボッティチェッリ、フィリッポ・リッピ、フィリピーノ・リッピ、ブロンジーノなどは結構重要な作品が来ているので、これらはしっかり鑑賞したい。

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ドメニコ・ギルランダイオ 《聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ》
1492‐94年 テンペラ、板 アカデミア美術館

これは、緻密に描きこんでいるなかなかの大作。

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ボッティチェッリの「パラスとケンタウロス」見事な作品である。右側に立つパラスの姿は、例のヴィーナスそっくりのポーズ。女性ながらもがっちりとした肢体で描かれている。豪華な逸品。

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ボッティチェリ 《聖母子と天使》1465年頃 テンペラと油彩、板 捨て子養育院美術館

見事な構図と色彩構成

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ボッティチェリに帰属 《聖母子(海の聖母)》1475-80年 テンペラ、板 アカデミア美術館

幼子が持つ石榴は受難を意味するとか。

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ボッティチェリ、18世紀の補筆あり 《東方三博士の礼拝》1490-1505年(もしくは1500年頃) テンペラ、板 ウフィツィ美術館

どの部分に補筆があるのか定かでないが、群衆がこれほど多く描きこまれた東方三博士の礼拝は珍しいだろう。

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ボッティチェリ 《聖母子と洗礼者聖ヨハネ1505年頃 油彩、カンヴァス パラティーナ美術館

難しい構図だ。幼子イエスと洗礼者ヨハネが頬をくっつけているのは、後にヨハネから洗礼を受けることを予告しているようであり、また全体の構図は、キリストの十字架からの降下を暗示しているという説がある。

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アンドレア・デル・サルト 《ピエタのキリスト》
1525年頃 フレスコ(壁から剥離) アカデミア美術館

壁画の一部を引っ剥がして、アッカデミーア美術館に展示したもの。

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ブロンヅィーノ 《公共の幸福の寓意》1567‐68年 油彩、錫板 ウフィツィ美術館

錫板に描かれたこの油彩画はびっくりするほど小さい作品だが、気品に満ちた作品。

高齢者無料日ゆえ、相当な混雑を予想していたが、実際はそれほどでなく、ゆったり鑑賞できて幸いだった。

画像は都美術館のホームページから借用しました。