ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ヴェルディ・マラソン・コンサート@アニェッリホール(九段)

141130 日本ヴェルディ協会主催(イタリア文化会館、日伊協会後援)のこのコンサート。今年で14回目だそうだが、今回、小学校時代の友人に誘われて初めて聞きに行った。

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これがまぁ実にすばらしいコンサートで、いやぁ来てよかった!出演者が粒ぞろいで、一様に上手い!!前半は重唱、後半はソロ・アリアが中心という構成。滅多に聞くことのない「オベルト」、「二人のフォスカリ」、「群盗」などが聞けて、その意味でも大変貴重な機会となった。

1《オベルト》からクニーザのアリア                   丹呉

   「誰があの熱い思いを戻してくれるでしょう」

2《オベルト》からオベルトのアリア                   小野寺

   「裏切りへの憎しみが悪人の血を求めている」 

3《ナブッコ》からフェネーナの祈り                    丹呉

   「ああ、天国は開かれました!」

4《二人のフォスカリ》からルクレツィアのカヴァティーナ          廣田

   「神様、あなたの全能の眼差しに」                 

5《ジョヴァンナ・ダルコ》からジョヴァンナとカルロの二重唱      光岡・城

   「つれない女よ、では栄光と王座をカルロに与えたのは」   

6《ジョヴァンナ・ダルコ》からジョヴァンナとジャコモの二重唱     廣田・泉

   「愛しました。でもそれは一瞬だけです」

7《群盗》からアマーリアのカヴァティーナ                 光岡

   「あの方の眼差しは天使のようだった」

8《群盗》からアマーリアとマッシミリアーノの小二重唱 光岡・小野寺

   「カルロ、私は死ぬ…… それなのにお前は遠くに」      

9《群盗》からアマーリアとカルロの二重唱 廣田・城

   「あなたを抱きます。おお、カルロ、私を抱いてください」     

 

【休憩】

 

10《ルイーザ・ミッレル》からヴァルテルのアリア 小野寺

   「この血も生命も捧げよう、幸せになり権力を手にする息子を見られるなら」

11《ルイーザ・ミッレル》からレチタティーヴォと合唱  小野寺・城

   「お父さん…/この腕においで」〜「美しい運命のほほ笑みとなって」

12《ルイーザ・ミッレル》からフェデリーカとロドルフォの二重唱     丹呉・城

   「あの空しく輝くきらびやかな宮殿から」

13《ルイーザ・ミッレル》からルイーザとミッレルの二重唱        廣田・泉

   「墓場は花で飾られた褥」

14《ルイーザ・ミッレル》からロドルフォのアリア               城

   「穏やかな夜に」

15《リゴレット》からジルダのアリア                    光岡

   「慕わしい名前よ」

16《リゴレット》からリゴレットのアリア                   泉

   「廷臣ども、卑劣な悪人どもよ」

17《リゴレット》からジルダとリゴレット二重唱             光岡・泉

   「祝日にはいつも教会で」 

 

みなさん、渾身の熱演で、2時間45分たっぷり。ソプラノ・レッジェーロの光岡暁恵さん、ソプラノ・リリコの廣田美穂さんはすでに何度も聴いているし、今更語る必要はないだろう。バリトン泉良平氏は、日本でもトップクラスのバス・バリトンで、「悪魔め、鬼め」の熱唱はまさしく鬼気迫るものがあった。

初めて聴くことになったソプラノの丹呉由利子さん、見目麗しく、清澄な美声には参った!バリトン小野寺光さんも癖のない、立派なお声だ。そして、きわめつけはテノーレ・リリコの城宏憲さん。この方、5年前に初めて聞いたことがある。新国のオペラ研修生10〜12期合同のお披露目無料コンサート⬇️で、その時こそ特に印象に残っていなかったが、成長盛りの5年間でいかに進化するか、まざまざ。どこまで進化するか、まことに楽しみ!

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既にこの中から立派な中堅どころに成長された方、城宏憲さんを含め実に多数!

伴奏は、この世界で際立った存在の浅野菜生子さん。

懇切丁寧な解説をいただいた小畑恒夫先生(ヴェルディ協会理事)の企画だろうと想像するが、出演者も小畑先生が昭和音大の現役であることから、ほとんど同大出身者であったのはうなづける。

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