141205 会期も残すところ僅かとなったので、晴天の今日、上野の杜へ。
待ち時間30分の表示だったが、実際には15分ほどで入館できた。確かにかなりの混みようであったが、空いているところに回り込んでいけば、主要作品だけはしっかり鑑賞でき、およそ1時間で出てきた。まだ余力があったので、常設館にも回ったが、国宝展並みの貴重な展示物があるのに、こちらはガラガラでもったいないほど。
国宝展の構成は、
第1章 仏を信じる
第2章 神を信じる
第3章 文学、記録に見る信仰
第4章 多様化する信仰と美
第5章 仏の姿
第6章 正倉院宝物
と、なかなか苦労の跡が垣間見られる章立てになっている。
先日、NHKの日曜美術館でも詳しく紹介されていた主要作品を追っての鑑賞となった。
国宝土偶は全部で5点展示されていたが、中でもこの祈りのスタイルの土偶が最もインパクトが強かった。八戸出土の、その名も「合掌土偶」は、腰のあたりに補修の跡が生々しいもので、その点でも異彩を放っている。
これは、顔の表情といい、振り返る動きといい、まことにユニークな立像で、本展の目玉的な展示物と言える。目にガラスがはまっているから余計にリアルでヴィヴィッドな表情が生まれたようだ。
奈良元興寺所蔵の、いわば五重塔のレプリカとも言える作品(八世紀)。高さ5Mほどもあろうか、なかなか緻密に作られている。分解可能で、当時も日本全国で出来た国分寺の五重塔の十分の一の雛形になったという説が有力。
前のめりになっている2体の菩薩坐像、右側の観音菩薩の両手に死者を乗せて極楽に導くのだと言う。三千院では、薄暗くてよく見えないらしいから、こういう風に展示してもらえるのは貴重な機会だ。
ご存知、伊達政宗の命を受けて慶長遣欧使節としてローマを訪問した際に描かれたとされる支倉常長の祈りの図。息子もまたキリスト教徒だったため、この図は四つ折りにされて密かに保存された。折り目が痛々しい。
上の画像はトーハクのHPからお借りした。以下は、レンズが汚れたままのガラケーによる撮影。
正面入口付近の大銀杏。見事な黄葉ぶりだ。
本館裏手の庭園。割に暖かく、座ってしっかり賞でる人も。