ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「バンクーバーの朝日」

141224 舟を編む」でさまざまな賞を独占した石井裕也の監督作品にしては、なんだかなぁ~、という印象。ごっそり名の知れた俳優を贅沢に使った割には、それが生かされていないところも残念というか、もったいない感が残る。描き方も平板で、133分が中途半端。

f:id:grappatei:20141225124902j:plain

物語はごくシンプル。1900年代にバンクーバーへ渡った日系人たちの苦闘と困難の歴史の中で、そうした彼らに夢と希望を与えることになる野球チームが生まれ、やがて奇跡の優勝するまでの軌跡を辿る。やがて勃発した太平洋戦争で、虚しく解散となった、実在した栄光のチームに光を当てた訳だが、もう少し人物描写に時間を割いてもよかったと思う。

f:id:grappatei:20141225124931p:plain

バントや盗塁を絡めた機動力のある日本野球の原点を見る思い。このチーム、MLBの殿堂入りを果たしているらしい。

撮影は、球場も含め、足利市に作った特設の大セットで行ったとか。なかなかうまく作られていて、美術陣の苦労が偲ばれる。主演陣には、実際に野球をやっていた俳優が多く起用されている。上地、亀梨、池松など、野球シーンで躍動しているのは当然だろう。他の男優たちも、皆運動神経がいいのか、まったく違和感がなかった。

 

#102 画像はALLCINEMA on lineと本作のホームページから