ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「この庭に死す」

141229 2本立ての2本目はフランス映画。それも1956年製作と古い。原題:LA MORT EN CE JARDIN 上映されたのはスタンダードサイズながら、ニュープリントらしく、やたらに画面がきれいなのが印象的。日本では未公開作品。脚本・監督:ルイス・ブニュエル(「哀しみのトリスターナ」、「昼顔」など)

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↑主演の一人、シモーヌ・シニョレもこの時35歳と若い。この作品は、彼女の代表作の一つ「悪魔のような女」の翌年に作られている。他に彼女の亭主となるイブ・モンタン初期の傑作「恐怖の報酬」で重要な役所を演じたシャルル・ヴァネル、また黒髪ふさふさで、それと気づかなかったミシェル・ピッコリ(下中央)など。

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ブラジル国境近くの架空の町が舞台。ダイアモンド鉱山を突如軍が接収すると布告したことで、鉱夫たちと地元軍隊が一触即発となり、ふとしたことがきっかけでついにドンパチが始まる。元より、勝ち目のない民間軍、たちまち総崩れとなり敗走。

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左からマルシャル、ピッコリ、ヴァネル

アマゾンらしき密林に逃げ込む一行、一発当てようという山師(ジョルジュ・マルシャル)、神父(ミシェル・ピッコリ)、売春婦(シニョレ)、いずれマルセイユでレストラン開業を夢見る出稼ぎ(ヴァネル)、その娘で口のきけないマリア(ミシェル・ジラルドン)。いずれもいわくありげな一行が、軍に追われ、水も食料も尽き、絶望的な逃避行。

偶然、小型機の墜落現場に出くわし、何日か振りに食料や飲料を口にするも、仲間割れから、一人また一人と命を落とし、とうとう・・・。

あまりフランス映画らしくない展開であるが、プレイヤーたちが素晴らしい分、見る価値は十分。吹き溜まりのようなところで、いつの日か懐かしいパリに帰りたいと皆が夢見るあたり、ちょっと「恐怖の報酬」の前半を思わせる展開。でもブニュエルって、こんな作品も作ったのかとちょっと意外。

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