150106 原題:Gagarin. Pervyy v kosmose ロシア、108分 監督:脚本:パヴェル・パルホネンコ
今年の一本目は地味な作品になった。1961年4月12日、人類史上初の宇宙飛行士となったユーリ・ガガーリン大佐(当時は中尉)の物語。実は同時期、アメリカも有人宇宙飛行を準備中で、多分アメリカが最初の国になると世界は思っていたが、実際には、ソ連がわずかに先行して成功。アメリカでは、それからわずか3週間後にアラン・シェパードが宇宙に飛び出したが、地球周回軌道には乗らない弾道飛行であった。ちなみに世界初の人工衛星を飛ばしのもソ連(1957年10月4日)で、アメリカは2度続けてソ連の後塵を拝することになり、悔しい思いを味わうことに。
かくして英雄となったガガーリンを待っていた運命とは・・・。国家に利用されつづけ、ほとんどポイ捨てのようにして、それから7年後、34歳の若さで謎多きテスト・パイロット飛行で事故死。一説には精神に異常をきたしていたともされている。
例によって、バイコヌール実験場での秒読みから、カザフスタンの牧草地にパラシュートで生還するまでを描き、間に幼少時からアストロノートになり、最初の宇宙飛行士に選ばれるまでの、さまざまな出来事をフラッシュバックにして描く。
これまで、こうした宇宙モノはハリウッドの独壇場で、つい最近もゼロ・グラヴィティやインターステラーが上映されたばかり。
そこへロシアが殴り込みのようにして一矢報いた観がある。もちろん、ハリウッドの派手さはなく、無論CGは用いているが、どこか古めかしいところが、時代色を感じさせて、却ってよかった。
なお、「地球は青かった」と言ったとされるガガーリンだが、実際には「地球はみずみずしい色調にあふれて美しく、薄青色の円光にかこまれていた」だったようだ。
映画の上映時間108分は、実際にガガーリンが地球を周回した時間に合わせてある。
#001 画像はIMdb,及びALLCINEMA on lineから