ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ガガーリン 世界を変えた108分」

150106  原題:Gagarin. Pervyy v kosmose ロシア、108分 監督:脚本:パヴェル・パルホネンコ

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今年の一本目は地味な作品になった。1961412日、人類史上初の宇宙飛行士となったユーリ・ガガーリン大佐(当時は中尉)の物語。実は同時期、アメリカも有人宇宙飛行を準備中で、多分アメリカが最初の国になると世界は思っていたが、実際には、ソ連がわずかに先行して成功。アメリカでは、それからわずか3週間後にアラン・シェパードが宇宙に飛び出したが、地球周回軌道には乗らない弾道飛行であった。ちなみに世界初の人工衛星を飛ばしのもソ連(1957年10月4日)で、アメリカは2度続けてソ連の後塵を拝することになり、悔しい思いを味わうことに。

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かくして英雄となったガガーリンを待っていた運命とは・・・。国家に利用されつづけ、ほとんどポイ捨てのようにして、それから7年後、34歳の若さで謎多きテスト・パイロット飛行で事故死。一説には精神に異常をきたしていたともされている。

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例によって、バイコヌール実験場での秒読みから、カザフスタンの牧草地にパラシュートで生還するまでを描き、間に幼少時からアストロノートになり、最初の宇宙飛行士に選ばれるまでの、さまざまな出来事をフラッシュバックにして描く。

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これまで、こうした宇宙モノはハリウッドの独壇場で、つい最近もゼロ・グラヴィティインターステラーが上映されたばかり。

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そこへロシアが殴り込みのようにして一矢報いた観がある。もちろん、ハリウッドの派手さはなく、無論CGは用いているが、どこか古めかしいところが、時代色を感じさせて、却ってよかった。

なお、「地球は青かった」と言ったとされるガガーリンだが、実際には「地球はみずみずしい色調にあふれて美しく、薄青色の円光にかこまれていた」だったようだ。

映画の上映時間108分は、実際にガガーリンが地球を周回した時間に合わせてある。

#001 画像はIMdb,及びALLCINEMA on lineから