ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

《蝶々夫人》ハイライト - 演奏会形式 - @紀尾井ホール

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演奏会形式でも、コスチュームは本格的で、実に上質な和服を厳選して二人の女性に着せていた。(と思ったら、スズキの衣装は自前だと、鳥木さんから指摘されました。ごめんなさい!)ピンカートンのズラ(実は自毛だと、これまた後でご本人から指摘がありました。大変失礼しました!いい加減なこと、書いてはいけませんね。自戒、ジカイ!)も海軍服もピタッと決まっていたしね。

シャープレスだけ、なんとなく普通の格好で、視覚的には若干見劣りはするが、アメリカ領事という役だから仕方ない。それにこれを演じた藤山仁志氏は、オペラ界きっての二枚目だからコスチュームのハンディ(?)を補って余りある感じ。それに簡素ながらも、蝶々さんの家もしつらえてあるし、それぞれの演技も本公演とほとんど変わらない。

ただ、費用や会場の関係もあり、オケはなし。その代わり、名手浅野菜生子さんの見事なピアノ伴奏で、それなりの効果を上げていたと思う。

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さて、プリマのアンドレア・ロスト、若くはないが、結構声が出る。リリコ・スピントという声種だろうか、低音から高音までムラなく響かせていたし、⬆︎の写真にある通りの美貌で、オペラ歌手として十分な資格を備えている。

ピンカートンの村上敏明氏は、今更コメント不要。とにかく今や乗りに乗っている超一流テノール藤山仁志 氏も、以前から聞いているが、歌唱力も演技力も今や日本のバリトン歌手の中でも抜きん出た存在になりつつある。

出番の少ないスズキ役の鳥木弥生さん、かなり大柄で、ちょっとスズキには不向きのように思っていたが、地味な和服の着こなしも見事だったし、演技力も、出番のない中での表情のつけ方など、見事だった。

それより、一粒種のまさおクンが子役で登場、自分の演技はさておき、まさお君のことが気が気じゃなかったのではないかしらん。こうして親子出演を果たせる機会など滅多にあるもんじゃないし、その幸運さをきっと噛み締めていることでしょう。。

いずれにせよ、限られた制約の中で、素晴らしい公演だったことは間違いない。

 

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