ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「悼む人」

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原作を読まないで、たまたま近くの映画館にかかっていたので見たが・・・どうもこの手のスピリチュアル系はねぇー。正直、余り・・・。

全国を回りながら、見ず知らずの人であっても、不慮の死を遂げた人の死を、亡くなった現場で悼むのはいいとして、⬆︎にあるような独特のポーズで「儀式」を行うのだが、最後まで共感を呼ぶには至らなかった。ある程度、天童荒太ワールドに心酔している人でないと、いきなり映像化されたものを見ても、入り込む余地は少ない。

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途中から頼みもしないのに、複雑な事情で夫、朔也(井浦新)を殺めた倖世(石田ゆり子)が”悼む人”、靜人(高良健吾)に同行することに。当初は面食らっていた靜人だが、次第に心を通わせるばかりか、同じように悩みを抱える倖世の力になろうとする。

一方、靜人の母(大竹しのぶ)は末期ガンで、家族に見守られながら、最期を迎えようとしていた。同じ瞬間に、同じ屋根の下で、娘である美汐(貫地谷しほり)が出産するところだった。「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか」ゴーギャンの大作を思い出した。

”悼む人”靜人の動きに併せ、他にもパラレルに展開する話がいくつか。いわゆる群像劇の体裁を取っている。

それにしても、終映後周りを見ると人っ子一人の姿もなし。アゼンボーゼン、こんな経験は初めてである。なんだか映画館に申し訳ない気がしてしまった。

#009 画像はALLCINEMA on lineから