ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

国技館第九に初参加

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あーあ、終わっちまった、というのが歌い終えた最初の感想。前回(2013.12.7)、アプリコ第九の時もそうだったが、そんな筈じゃないなぁと思いながら、またすぐ歌いたくなるから不思議なもの。

それにしても、31回もよくまぁ続いているものと感心せざるを得ない。一体この先、どこまでやるのか知らん。ギネスでも狙っているんだろうか。さすがに前回は30という節目だったから、集まりがよかったようだが、今回は4200名ほどだった様子。

9月10日に発会式があって、あれから5ヶ月ちょっとで本番。中には1回目からずーっと出ているという豪の者がいて、一体何歳なんだろうと思うけど、そういう連中はほとんど練習には出てこず、本番のみ一発勝負の様子。アタシは初めてなので、かなり熱心に練習に参加、20回以上は参加し、計8人の指導者に巡り合った。それぞれ個性豊かで、諧謔精神に富み、高齢者の指導も卓抜した技をお持ちで、毎回楽しかった。

ただアプリコの時に比べると音楽性では、いささかどうかなと思えるような参加者が多かった気がする。調子っぱずれやオクターブ下で歌うなど、あまりそばにいて欲しくない連中だ。

この違いは練習量によるのと、やはり人数によるものだろう。アプリコの時は、原則、練習への不参加は認めない方針だったし、少人数だったから、指導者の目がよく届き、仮にオクターブ下げて歌っている人は、注意されていたのだが、5000人第九では、そうは行かない。

よく比較される大阪城ホールの1万人第九(佐渡裕指揮、サントリー全面バックアップ)も、練習参加をある程度義務付けている。1万人でも応募が毎回募集人員を軽く上回るから、抽選で参加者を絞り込むなど、「誰でもどうぞ」の5000人第九とは、かなり状況が異なるのだ。

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当日は9時過ぎに集合、簡単な声出しを全員でやってから、オケ、松尾葉子マエストロ、ソリストたちが入り、フィデリオ序曲から順にゲネプロ。そして自席で、配布されたお弁当をいただくと、開場時間となる。

上のように中央に男声、両側に女性という配置。女性が男性の3倍ぐらいなのは、いずこも同じ光景。館内、だだっ広いから空調が十分効かず、ブラウス一枚の女性陣はいろいろ工夫されていた様子。

午後2時開演。第九の三楽章までは、座って聞いていればいいから、これはこれで至福の時である。しかし、楽団までの距離があって、後ろ側から聞くわけだから、普段余り聞こえないような楽器の音があからさまに聞こえたりで、違和感は避けがたい。

さて、いよいよ出番。バリトン福島明也氏が立ち上がるや否や、一斉に合唱団も立ち上がるのだが、桟敷席であぐらをかいている高齢者の中には、結構危なっかしい人たちが散見された。

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⬆︎前日の練習風景。ちょっとした休憩で、居眠りする高齢者たちの姿も。

マエストロ松尾の振る小気味いいタクトをひたすら見ながら、ゲーッテルフンケンを歌い終えた爽快感はなにものにも替えがたし。嘗て参加した姉は音が微妙にずれるのが気持ち悪いと1回でやめてしまったが、合唱のずれはほとんど感じなかった。寧ろオケの音とのずれの方が気になった。ただ、アプリコ第九の時に比べると、相当早い指揮で、最後のプレスティッシモなど、皆必死の形相になっていたのではないかな。

ソリストたち、今回もヴェテラン揃いの豪華なラインナップだ。それにしても、歌唱力だけでなく、全員大柄で、見栄えもバツグン。

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1階のマス席は一マスに二人が割り振られる。マスの中での位置取りは自由だから、こうして見ると、椅子席に比べかなり雑然とした印象である。今回マエストロ松尾のアイディアで、左手を上げたら、合唱団全員お辞儀、「ハイ!」と一声かけたら、最前列から順に顔を上げるように、ということで、練習時にはピタリと決まったのだが・・・。本番では、声が聞こえず、失敗。その後、マイクで再度指示を出して辛うじて成功させ、館内の失笑をかったが、来年はやらないだろう。

終演後、主催者側から労いの言葉と、北海道から順に県ごとの出場者数の発表があった。海外からの参加もあったが、コソボアルバニアという珍しい国も。もちろん国内在住者だろうが、嬉しいことには違いない。

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マエストロやソリストたちからも挨拶があり、全員でお茶で乾杯!

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本来土俵のある位置が舞台になっているのだが、土俵撤去はどのようにやったのだろう、と思って調べたら、やはり想像通りで、地下に沈むような仕掛けがあることが分かった。

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開演前に国技館正面玄関で、アプリコ第九メンバーの記念撮影。

#06