150224 ワシントン・ナショナル・ギャラリー展～アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションからのブロガー内覧会に参加。
こうした素晴らしい企画があるので、ブロガーには堪えられない。一点撮り（解説も含め、文字通り一つの作品だけを撮影すること）禁止はいつもの通りだが、他に一切撮影禁止だったのがナビ派の一人モーリス・ドニの「純潔な春」↓（三菱一号館美術館寄託）。珍しい。それが多分寄託側の条件なのだろう。かなり大きな作品である。
ワシントンのこの美術館は一度も行ったことがないから、ほとんどが初めて見る作品だが、全６８点のうち３０点はすでに日本で公開されている。都美術館と森美術館で開催されたことがあり、どちらも行った覚えがあるから、何点かは見覚えがある。
６時半内覧会スタートで、冒頭、いつものように高橋館長からご挨拶と概要説明があった。その中で、同館では、最近５年間に１０本もの、結構ヘビーな企画展が開催できたと、やや自画自賛的な説明も。その後に、本展担当の学芸員杉山菜穂子さんと、モデレーターとして美術ブロガーのレジェンド、TAKこと中村剛士氏による詳細な解説が３０分ほど。その後、自由鑑賞と写真撮影はいつものスタイル。
⬆︎オディロン・ルドンにしては、色使いが少ない風景画。小品ながら、強く印象に残る作品だ。
本展は、上記ホームページに詳しいが、大富豪の一人メロン家が収集した作品で構成されている。創業者アンドリュー・メロンが比較的古典的作品収集に熱心だったのに対し、娘のエイルサ・メロン(Ailsa Mellon Bruce)の方は、当時、注目され始めていた印象派の作品を多く収集しており、彼女の先を見る目の確かさが窺える。とりわけ、親密派（アンティミスト）と呼ばれるヴュイヤールやボナールがお気に入りで彼らの作品が目立つのも、このコレクションの特徴。
一昨年訪れたオンフルール出身のブーダンが描いた地元オンフルール港の風景。
この作品はなんども見た記憶があるが、それもその筈、シスレーは同じ主題で７点も描いているらしい。
⬆︎これが画中に登場するカフェだが、代替わりで看板が別の名前に。
オランダ時代の作品にしては、色彩溢れるゴッホの作品。「オランダの花壇」
マントルピースの上の絵は、ベルト・モリゾの描いた姉、「窓辺にいる画家の姉」。姉のエドマ・モリゾも画家だった。左は読書するモネ。
ルノワールの「アンリオ夫人」。いかにもルノワールらしい、被写体の性格まえ写し取ってしまうような、優しさが滲み出ている作品。
ボナールの「革命記念日のパリ、パルマ街」80cmX40cmと、珍しい縦長の作品。この頃、ジャポニズムにどっぷりで、Nabis Japonard（日本かぶれのナビ派）と仲間から揶揄されていたとか。
ロートレックの「カルメン・ゴーダン」２１歳頃の作品だが、１号ほどの極小の作品。珍しい。
これだけ内容の濃い、充実した企画展は、さすが三菱一号館美術館だけのことはある。絶対におすすめである。５月２４日まで。
なお、掲載した写真は全て主催者から特別な許可を得て撮影したもの。
