150307 毎回ほぼ欠かさずに出ている青島広志のたのしい名作オペラ講座、今回は、間も無く大ホールでの本公演を控えているヴェルディ晩年の本格オペラ「オテロ」を取り上げる。
例によって抱腹絶倒に終始。最近やや暴露趣味も暴走気味で、聞いている側が、「そこまで言っちゃって、大丈夫かいな」と不安になる程。それにしても、日本オペラ界の隅々まで知り尽くしてらっしゃる先生にしか分からない事情がつぶさに知ることができて、実に貴重な講座であることは間違いない。
今日の出演者はいつもとはちょっと違った組み合わせ。江口さんは常連だが、他のお二人は、滅多に。特に澤田さんは、初めての出演で、ご自身、相当緊張されている様子が、こちらにも伝わってきた。この方、経歴もオペラ歌手としては、かなり異色である。テノール・レッジェーロで、オテロにはやや不向きかも。
宝福さん、以前にも何度か聞いたことがあるが、軽めのハイ・バリトン系か。部分的にだが、昔、何度も来日したアルド・プロッティに近い響きを感じて嬉しかった。
江口さん、今更なので、コメント不要だが、今日の演目の中ではデズデーモナの「柳の歌」が秀逸であった。音域の滑らかな移動や、高音部のすすりなくような音質がなんとも言えない効果を生んでいたと思う。青島先生曰く「どんな名歌手が歌っても必ず眠くなるほど長い」という理由で、ばっさり3/4の長さに。じっくり全曲聴いてみたかったなぁ。
会場配布された資料には、歌詞、対訳、そして譜例が添付されていて、これが大いに参考になり、ありがたいのだ。
これはオテロが歌うアリア「神よ!」の冒頭部分。なんとフラットが7個もついちゃっているではないか。こうした「調」については、素人にはなかなか分かりづらいのだが、先生はちゃんと懇切丁寧に説明してくださる。どの調がどんな雰囲気を造れるのか、どの作曲家がどんな調を好んで使用したかなど、興味深い話が次々に。
終演後、ロビーで、出演者の写真を撮らせていただいた。
青島先生から、結婚後、美しさに妖艶さが加わったと評された江口二美さん。更に、コスチュームも見事だ。
静岡大教授でもある宝福さん。
ムーア人であるオテロの雰囲気を出すため、青島先生がこんな衣装を貸与。
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