ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラ」創立10周年記念演奏会

150323

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先月国技館での5000人第九で共演(?)したマエストロとテノールが出演されることもあり、一段と寒くなった夕刻、錦糸町まで出かけた。

小4から高3まで、約70名で構成されているこのオケは、松尾マエストロが手塩にかけて育ててきただけあって、素晴らしい演奏ぶりを披露。前半こそ、弦、特に第2Vとヴィオラに不安な音色が聞こえたものの、猛練習を積んだらしいヴェルレクでは、まさに玄人はだしの演奏を披露、とりわけ管楽器のうまさには唸った。

ただ、弦の演奏にヴィヴラートをつける団員とそうでない団員が混在していたのはどういうわけだろう。その辺りどんな指示が出ていたのか一度聞いてみたい。

合唱団は、この演奏会の為に公募したとのこと。高齢者が目立って多かったが、演奏は実に堂の入ったもので、これも猛練習に耐えた結果だろう。最後、マエストロとソリストたちに並んで合唱指揮者も一緒に舞台上で挨拶していたのだが、一人だけ花束なしというのもなぁ・・・もう少し気を遣ってあげてもよかったと思うよ。

さて、ソリストがまた豪華。偶然だろうが全員藝大出、それもみなさん相当優秀な成績で卒業された様子。ガタイもでかいが、容貌がまた全員がいわゆる”濃い”のである。これは結構滅多に見られない奇観かも。

ソプラノの宮澤さんて、初めて聴かせてもらったが、突き抜ける美声がたまらない。メゾの渡邊さんは、かなり以前、二期会スタジオで聴かせていただいているが、やはり大変な成長ぶりだ。テノールの大澤さんは、今更コメント不要。昨夜も、体調万全だったようで、気持ちよさそうに美声を、あの広い館内一杯に響かせていた。小林さんは名前も顔も以前から存じ上げているが聴くのは初めて。顔に似合わず、と言っては失礼だが、優しい感じの声質で、少し意外な感じがした。

松尾マエストロは相変わらずキビキビ棒を振っておられ、終演後、演奏者にお辞儀をさせる場面では、何度も手を振って「ホラ、早くやって!」と言わんばかりの仕草がおかしかった。5000人第九の時を思い出した。

#12