ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」

150413 原題:BIRDMAN or The Unexpected Virtue of Ignorance 米 120分 [監]アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(「バベル」、「BIUTIFUL ビューティフル」)

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噂のノーカット撮影が気になり、その効果をずーっと検証していた。終盤で数カット加わるだけで、最後までほぼワンカットという手法は確かに斬新だ。

場面転換は、例えばカメラを一旦夜空にパンナップしてからゆっくりパンダウンして時空が切り替えたりしていたが、大部分は、カメラ移動によるワンカット撮影だから、これに備えて、相当な時間を費やした出演陣は大変だったろう。その分、編集作業はたったの2週間というから、編集者は逆に楽チンだったはず。全体の撮影もわずか2ヶ月という、考えられない短期間でクランクアップ!

撮影はほぼ9割がたブロードウェイにあるセント・ジェームズ劇場で行われたそうだ。せまい舞台裏通路をキャスト陣とそれを追うカメラが常に移動するわけで、なかなか興味深く見ていた。やはりこのメキシコ人は才人だ!

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映画「バードマン」での大成功という過去の栄光が忘れられない、今は落ちぶれた俳優が、再起をかけ、自ら製作、演出、脚本、主演の舞台も、思うように行かない。ひとり娘との間もギクシャク、やることなすこと、裏目に出てしまう。

そんな中、文字通り命を賭けた初日、けなされるとばかり思っていた辛口舞台評論家に絶賛され、焦燥や悲哀の中から運命が開けることを知るリーガン(マイケル・キートンだった。この役を見事に演じきったマイケル・キートン、実はこの役、彼自身の実際の運命にかぶるところが多いとか。

#21 画像はALLCINEMA on lineから。