ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「三軌展」@国立新美術館と「ラオス会」

150514 今年もこの時期が巡ってきて、時の経過の早さを改めて痛感。三軌会は昭和24年に東京で立ち上げた美術家集団。現在、会員800名ほど。ラオス会(昭和39年、フランス船「ラオス号」でまるひと月かけて、ヨーロッパへ向かった船友たちの会)会員である津田勝利画伯は、昭和40年、欧州から帰国してすぐ参加しているから現在は文字通り、三軌会の重鎮。

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⬆︎津田画伯の作品。タイトルは「パーンとシュリンクス」と、今回もギリシャ神話を題材にしている。絵に登場する人物たちを事細かに説明してくれたが、もとよりギリシャ神話に疎い者には難解だ。

アルカディアの森にいる羊飼いたちの守護神、パン(パーン)はニンフたちと戯れるのが大好き。シュリンクスもニンフの一人。ある日、シュリンクスはパンに追いかけられる。川まできて、逃げきれないと思った瞬間、シュリンクスの姿は見る見る水際に生える葦に変身していくのだった。シュリンクスをつかまえたと思ったパン、つかんでいたのが葦だと分かりがっくし。腹いせに、葦の茎の穴に息を吹き込むと、不思議な音色が。そこで、葦を切りそろえて吹くことに。これがパンフルートの発祥という訳。

これまでの作品から少しずつ変化が見られるのは色調。全体に淡い色を多用していて、これまで主流だった深いブルーがほとんど姿を消した。

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いつも海辺を超細密に描く大槌 隆氏の今年の作品。「2015年4月1日夜明け」

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横須賀幸正氏も毎回同じテーマ。「わだつみの・・・・」

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⬆︎驚きの細密画。構図もビシッと決まっている。三つの賞を独り占めも分かる。

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1時間ほど鑑賞してから、国立新美術館を後にして、昼食会の会場である、新宿三丁目銀座アスター新宿賓館へ。これまでで最小の5名という参加者で、少し寂しい。昨年のこの会には出席して、散々熱弁を振るったH氏も、病に勝てず、依然闘病生活であるのが残念!