ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「カフェ・ドゥ・フロール」

150514 原題もCAFE DE FLORE 加・仏合作 120分 [監]ジャン=マルク・ヴァレ(「ダラス・バイヤーズクラブ」)[出]ヴァネッサ・パラディ、ケヴィン・パランほか。

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昔見た「めぐりあう時間たち」(2002 ニコール・キッドマンジュリアン・ムーアメリル・ストリープ)のように、過去と今を行ったり来たりしながら、別の話がそれぞれ展開し、二つの話は関係ないようでいて、実は密接に絡み合っているという、ま、よくある手法。

方や1969年のパリ。シングルマザー、ジャクリーヌとダウン症の男子ロラン、最近、ロランのクラスに入ってきた女の子ヴェラと仲良くなったのはいいが、母親が嫉妬するほどの関係に。

こなた2011年のモントリオール。DJで成功し、娘と息子と二人の子供にも恵まれ、運命の女と思い定めていた妻キャロルと別れ、今はセクシーなローズと生活しているアントワーヌ。キャロルは、今も立ち直れないまま、ひとり悶々とした生活。

実はロランとヴェラの生まれ変わりがアントワーヌとローズということは、物語の進行の過程で明かされる。輪廻転生ということらしいが、ソウルメートといい、どうも自分には釈然としないし、感情移入はまったく無理。

本作を絶賛する向きも少なくないようだが、アタシにはまるで心に響くことはなかった。昼間っからグラッパなどを飲んだことも手伝い、前半は睡魔と戦うこと、しばし。

ダウン症の男の子を演じた子役の演技は大したもの。ヴァネッサさん、前歯がスキスキでなんだか、もうそれだけで余り好感が持てなくなってしまったなぁ。

ところで、このタイトル、劇中で流される音楽(マシュー・ハーバート作曲)のタイトルらしいが、そそっかしい人はサンジェルマン・デ・プレにある例のカフェが登場する、パリを舞台にしたドラマかと勘違いするのでは?邦題は、むしろそれを狙ったのでは、というのは邪推過ぎるか。

劇中流す音楽にはこだわりがあって、他にもピンク・フロイドの「スピーク・トゥ・ミー」「生命の息吹」シガー・ロスの「スヴェン・ギー・エングラー」など、歴史的な名曲が贅沢に使われていて、この種の音楽好きは楽しめるかも知れない。

#31 画像はIMdbから