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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

大英博物館展 100のモノが語る世界の歴史

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実に700万点を所蔵する世界屈指の博物館だから、そこから小指の爪の先以下の100点を選び出すのは大変な作業だったことだろう。しかも太古から現代まで、世界中が舞台であるから、まるで雲をつかむような話だ。

確かに一つずつが物凄く貴重で、かつ背景に抱えている歴史たるや気の遠くなる程の情報量で、こうした森羅万象に人一倍興味や関心のある人たちにとってはなんど見ても飽きない展覧会ということ。そうでない人には・・・それなりにだ。

この日は例の高齢者無料日だから大変な数の高齢者が累々と見渡す限り。館内、アチコチに設置されているベンチには鈴なりの高齢者たちがこぼれんばかりに座っている。この日、自分は後のスケジュールがあったので、ある程度の混雑は覚悟の上で午後3時ころ都美術館に到着。それでも15分待ちで場内へ。約1時間後、退場する頃には、まったく列がなかったから、やはり美術館・博物館は4時以降に入るべしの観を改めて深くした。

展示物の詳細は→http://www.history100.jp/

毎度のことだが、担当学芸員の労作であろう説明パネルが大変よく出来ていて、こういうものがあって初めて、展示物への理解が深まろうというもの。ただし、展示法にはもう一工夫要るようなところも散見された。人気展示物⬇︎にはものすごい人だかりになるのは当然だが、スタッフが声を枯らして「空いているところから先にご覧くださーい!」。しかし、仮に空いているところを先に見たとしても、はずせない作品に戻るとやはり黒山の人だかりは解決されていない。これは当たり前の話で、むしろ展示場所をもっと工夫すべきと、つい余計なことながら、スタッフに苦言を程しておいた。

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⬆︎「ウルのスタンダード(軍旗)」ラピスラズリや貝、赤色石灰岩を使用。

他にも、かのロゼッタストーン!門外不出のお宝ゆえ、こればっかりはレプリカによる展示になってしまったのは仕方ないとして、早速そばのスタッフに石の種類を尋ねると、知らないと言う。当方、ぜひ知りたいから、調べるか同僚のスタッフに聞いて欲しいというと、ベテランらしき別のスタッフが登場。のたまうには、「石は石だが、それ以上のことは不明。人が持てる程度」とも。と言うことは、この大きさで人が持てるのは石ではないこと明白。まさか発泡スチロールとは思わないが、それに近いもので岩ではない筈。こんな質問は当然予見できること、事前にスタッフは承知しておくべきだろう。

最後に101点目として、都美術館が選んだ気鋭の現代建築家坂茂(ばん・しげる)の段ボール製のポールを組み合わせたさまざまな構築物が、すごく印象深い。東日本大震災であちこちの体育館・公民館で、仕切りとして活用されたことはよく知られているが、やはり大地震で瓦解したNZ、クライストチャーチ大聖堂跡の仮設聖堂としても使われている、大変なシロモノである。

ともあれ、あまりのスケールの雄大さに圧倒され、ボーッとなって会場を後にした。その後、ついでと言っては失礼だが、別の会場で「公募団体ベストセレクション 美術 2015 」を覗いたところ、日本美術院日展、光風会、二科会など、名だたる団体が選んだベストセレクションだから、すっごい作品ばかりで、申し訳ないが、先日見たばかりの三軌会や太平洋会などが霞むほどの迫力。

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光風会、青栁敏夫「西の彼方」(左)と中土居正記「再生・Sea Breeze」