ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ラン・オールナイト」

150604 原題もRUN ALL NIGHT 久しぶりに見たハリウッド作品。114分と程よい長さ。製作総指揮と監督は、まだ40歳そこそこのスペイン人、ハウメ・コジェ=セラ。これまで「アンノウン」(2011)や「フライトゲーム」(2014)でリアム・ニーソンと組んでいる。二人はよほど気があうのかも知れない。

リアム・ニーソンは、「スリーデイズ」やら「96時間など、限られた時間内に任務を遂行するような役柄が多い。ちょっと理知的な大型アクションものには欠かせない存在になってきた。それにしても現在御年63というのに、よくこんな激しい殺陣やカーチェイスばかりの役を演じられるものと呆れるしかない。しかも多作である。

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闇に生きてきた者は闇に死んでいくしかない。それがこの”世界”の掟だろう。舞台はニューヨーク。マフィアのボス、ショーン(エド・ハリス)と、殺し屋として彼に長い間つかえてきたジミーは親分・子分という関係より、固い絆で結ばれた親友同士。常に”一線を越える時は一緒に”が合言葉。

それぞれに一人息子が。どちらの父子関係はよくないと言うより、険悪だ。ある夜、ジミーの息子マイクが仕事中、ショーンの子、ダニーの殺人現場を偶然目撃したことから命を狙われる。間一髪のところで、マイクを助けたのは物陰から様子を窺っていた父、ジミー。

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⬆︎相変わらず派手な大立ち回りも、ニーソンだけによく似合う。パトカー(?)に護送される途中の息子を助け出す場面。

親友ショーンの息子を殺(や)ってしまったんだから、さあえらいことに。たとえ関係が険悪であろうと、そこはやはり父と子である。憤怒の形相のショーンは、電話で顛末を報告してきたジミーに、二人とも殺すと冷たく告げるのだった。

そこから、多数の犠牲者を巻き込みながら父子の必死の逃亡劇が始まる。

展開自体は目新しいものはなにもないのだが、カメラワークが素晴らしい。地点移動中も瞬時にカメラも長い距離を一気に移動するスタイルをとっていて、これが終始極めて効果的に使われている。

一応、ハッピーエンディングで、やれやれ。期待以上。尤も期待値が低かったことはあるが。

ニック・ノルテがちょい役で登場する。えっ、こんな年とっちゃったの?という印象。

 

#38 画像はALLCINEMA on lineから