ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

二期会サロンコンサート vol.180へ@カワイ・コンサートサロン・パウゼ

150604 180回とは凄い。10回以上は来ていると思うけど、第1回はどんな内容だったのだろう。

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ご贔屓バリトンの一人、藤山仁志さんの登場。

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冒頭にマッティナータを持ってきたのは、藤山さんの思い入れの一端らしい。一般的にはテノールが歌うのでは?と後で本人に確認したところ、意外な事実を知った。

彼はこの曲を歌いたくて歌手の道へ。テノールだと思っていた自分の声種が、実はバリトンと、イタリア留学時についた先生に言われたとか。こんなことってあるんですねぇ。従って、彼が高音域になんら問題ないのは当然である。

品格のある歌いっぷり、少しだけお茶目で、誠実そうなトーク、それに容姿淡麗だから、女性ファンが多いのはうなづける。この日も8割がた女性客だった。(もちろん、他の歌手がお目当ての客もいるわけだが)

ソプラノの西友さん、初めて聴かせていただいた。どちらかと言えばリリコ・レッジェーロなのか。フランスものや、ミュージカルにより向いているように感じた。あまりドラマティックな、トスカやバタフライも大変お上手だが、もしかしたら、もっと軽めの役の方が”らしさ”を発揮できるのかも。(大きなお世話と叱られるそうだが)

今尾 滋さんには腰を抜かしそうになった。5,6年前、例の青島広志先生の子供向けプログラムで、初めて聞いた時はバリトンだったのだが、その後、テノールに転向されていたのだ。しかも、これが結構凄いテノールなのである。

一般的には年齢と共にバリトンへの転向パターンが多いのに、これは割にレアなケースだろう。かなり口を大きく開けて歌う唱法に何か秘訣がありそうだ。終演後、転向理由を聞いたら、なぜかいくらでも高音が出るようになったので、と応じられたが、素人相手に本当の理由は教えないかも。

アンコールは、まず3人で「オー・ソレ・ミオ」、その後、ひとずつで、今尾さんがDICITENCELLO VUIE(彼女に告げてよ)、藤山さんがスペイン歌曲、DEL CABELLO MAS SUTIL。これがまた、ため息の出るようなきれいな曲。

⬆︎これはご存知カレーラスの歌った「君の細くてきれいな髪で」(Obradols作曲)

そして最後に西さんのVissi d'Arte, Vissi d'Amore。どうせなら、一人ずつのアンコールの後に、3人で一緒に歌えばよかったのに。(これも大きなお世話でした)

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終演後、こうして出演者と短時間でもお話ができるのが嬉しい。3人並べて撮影しようとしたが、後ろからどんどんファンが押し寄せてくるから、アッという間にシャッターチャンスを失った。

ところで、⬆︎のプログラム第1部6曲目にプッティーニとあるのは、プッチーニのミスプリ。Pucciniは絶対にプッティーニと表記されることはないのです。第2部には正しい表記になっているから、単純なミスのようだが、二期会にしては、珍しい。

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