ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「祖谷物語 おくのひと」

150610 何しろ169分は長い!後半は途中でなんども睡魔に襲われる。監督・脚本:蔦 哲一朗

祖谷山中に暮らす春奈(武田梨奈)⬇︎は、お爺(田中泯 本作ではなんとセリフ一切なし)が十数年前の冬、事故車から放り出されていたのを発見、山小屋に連れ帰り、以来男手一つで育てた娘。今は高校三年生で、そろそろ今後の進路を決めないといけない年齢に差し掛かっている。

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都会に出るという友達に誘われても、お爺を一人残すことはできない。

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冬は一気に過酷さを増す祖谷に、わざわざ東京から移住してくるような青年もいる⬆︎。田舎暮らしを憧れるにしては、ここの生活はあまりに厳しい。それでも、春奈に生活の基本を教えてもらい見よう見まねで溶け込もうとするのだが・・・

一方、この地方特有の日本原風景を愛する外国人たちのグループは、開発工事を阻止しようと仲間の日本人たちと連日工事現場に現れ、実力行使に出る。こうした騒ぎをよそに、春奈とお爺の日々の生活は、淡々と繰りかえされていく。

ところが、後半、にわかに東京に舞台が移っていくと、訳が分からなくなる。春奈のイリュージョンの世界観を描こうとしたのか。ここになぜか、つい先日もカンヌ国際映画祭に臨んだばかりの監督、河瀬直美が女優として登場したりする。それも、どうでもいいような役だ。前半で終わらせておけばいい評価に繋がった思うんだがねぇ。

#40 画像はALLCINEMA on lineから