ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「海街diary」

150619 

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ご存知、今年のカンヌ国際映画祭出品作品。是枝裕和監督は「誰も知らない」(2004)、「そして父になる」(2013)を始め、国内外の映画祭での受賞は数知れず。ただし、今回はカンヌでは、無冠。ほかのマイナーな映画祭での受賞の可能性はまだあるかも。

淡々と4姉妹と、彼女たちの背景にある複雑な人間模様を126分で描いている。それなりに見せ場はある。特に後段、樹木希林大竹しのぶが登場する場面では、俄然、画面が締まった印象を受けるが、全体としては、是枝作品にしては、じゃっかん物足らなさが残った。

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⬆︎三姉妹を残して愛人の元に去った父の訃報に接し、一応お悔やみに山形県の温泉町へ。

父の愛人は既に故人、今は別の女性と暮らしているが、そこには亡くなった愛人との間にできた一人娘すずが。3人にとっては異母姉妹。まだ地元中学に通うすずが、ひとり健気に弔問客を相手をしている姿を見て、別れ際に長女、幸(綾瀬はるか)は鎌倉で一緒に住まないかと誘う。そりゃそうだ、血縁でもない義母と暮らすのは、あまりに酷と言うもの。

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こうして鎌倉へ引っ越してきたすずを暖かく迎える姉たち。にぎやかで楽しい生活のスタタート。転校してきた中学でも、周囲に溶け込み、得意のサッカーでも輝きを増すすず。

長女、幸は、終始母親然として振る舞い、妹たちの素行にとかく口を出し続ける。自分の弱みを見せないが、実は、彼女自身も、妻子ある上司と不倫中。

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不倫相手(堤真一)は、腕にいい医師で、アメリカ留学を計画、妻と別れるから一緒にアメリカに来て欲しいと言われるが・・・さすがにそこまで踏ん切りがつけられない。

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父の法要で、久しぶりに再会した実母(大竹しのぶ)も、娘たちを残して出て行ってしまった過去を持つ。滅多に顔を見せない彼女が、娘たちに向かって、「そろそろこの家、処分しようかと思ってんのよ」と言ったから、さあ大変。抑えていた感情を一気に爆発させる幸。「まあまあ」と割って入る叔母(樹木希林)。

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すったもんだの末、再び静かな4人だけの生活が始まるのだった。慈しみあい、憎み合い、怒鳴りあいしながら、

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衣装では、夏帆がベスト。まだ23歳だけど、2チャンネルでは顔面劣化などと。子どもの頃よほど美少女だったらしい。本作では、一番目立たない役。それにしても広瀬すずの身体能力には驚かされた。そして、まるで高級磁器のような綾瀬の顔と、長澤の美脚にも。

#47 画像はALLCINEMA on lineから