ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「魔笛」@東京文化会館

150720 

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4日公演の最終日に見に行った。すでにFB上でも散々取り上げられた話題満載の公演。

確かに、これまで見たことのある魔笛とは随分色彩が異なる。演出次第で、これだけ違いが出せるところが面白い。リンツ州立劇場との共同制作公演と銘打ってあるので、ほぼそのスタイルを踏襲し、日本に置き換える役を宮本亜門がやったということか。

アメリカ人指揮者、デニス・ラッセル・デイビスは、現在はバーゼル交響楽団の指揮者だが、その前はリンツの楽団の音楽監督をやっているから、当然この演目については、誰よりも精通していると自認しているだろう。大好きな日本でこの公演で振れることは、痛快この上ないことだろう。読響との相性もよく、素晴らしいモーツァルトの響きを造っていたと思う。

この上演の面白さは実際に見ないと分からない。まずはプロジェクション・マッピングやホログラムの威力が随所に遺憾無く発揮される。こういう方式が定着すると大道具・小道具がヒマになるだろう。瞬時にして舞台転換が可能だし、大規模空間移動もやすやす。

若手中心の出演者たち、のびのびとした演唱には、大いに好感が持てた。中でもパミーナ役の嘉目真紀子さん、イタリア留学も経験し、一段とパワーアップした姿を見せつけた。

ちょっと異彩を放ったのはモノスタトスだ。なるほどこういう風な使い方もできるという、目から鱗のような存在感を演出していた。新解釈に応じた青栁素晴さん、素晴らしい演唱だった。自ら編み出したと思えるこっけい極まる仕草も加わり、エンジン全開、これだけでも見に来た甲斐があったと思わせるほど。

正味3時間近い長丁場だから、毎回、どこかでダレて、居眠りも出るのだが、今回はそれもなく、最後まで堪能しまくった。やはりオペラは素晴らしい!

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