ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20′s Paris カリエール、アマン=ジャン、ル・シダネル…」

151013 長ったらしいが、うまく女性客を惹きつけるタイトルをつけたものだ。確かにこの時代の画家たちにはそれほど光が当てられているわけではないし、日本でもそれほど知られていない連中だろう。

彼らは自分たちも印象派に属すると思っていたかどうかは、今となっては想像するしかないが、活躍し始めた頃は、ちょうど第1回印象派展(1874 Nadar写真館、rue de Capucine)が開催された、エポックメーキングな時代。もちろん、ほぼ同時代人として、著名な印象派画家たちの交流もあり、影響も少なからず受けていることは想像に難くない。

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本展の概要を、チラシから抜粋すると、

本展覧会は、印象主義や新印象主義といった前世紀のスタイルを受け継ぎながら、親しみやすく甘美な作品を描いたカリエール、アマン=ジャン、ル・シダネルら、20世紀初頭のパリで活躍した芸術家たちの作品をご紹介する展覧会。
彼らはフォーヴィスムキュビスム等の前衛的な芸術運動に加わらなかったため、モダニズムを主体とする美術史の視点からあまり取り上げられることがなかった。
しかし見たままに描きながらも自然や事物に潜む詩情を表現した彼らの作品は、商業的にも批評的にも成功を得、20世紀初頭におけるフランス美術界の一端を担った。
本展覧会では、こうした芸術家たちが所属していた「画家彫刻家新協会(*)」のメンバーから、約20名の作家による作品約80点を展示し、20世紀幕開けのパリへ皆様をご案内。

*画家彫刻家新協会(La Société Nouvelle des Peintres et Sculpteurs):若い芸術家たちの作品を発表する目的で結成されたグループ。おもにサロン出身の芸術家たちで構成され、1900年から1922年まで、パリのジョルジュ・プティ画廊で毎春展覧会を開催した。

 

今回、日本人受けしそうな作品を、油彩を主体に80点あまり展示。個人像が多いのも特色。1点だけ、国内からの出品があった。富士美術館所蔵のジョン・シンガー・サージェントの「ハロルド・ウィルソンの肖像」である。

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夫人の内面まで窺えそうな逸品。

他のめぼしい作品を拾うと、

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以上、同展のHPからお借りした。