151022 カナダ映画 原題:The Captive (囚われし者)
原案、脚本、監督は、アルメニア人の両親からカイロで生まれたエジプト人(幼少時にカナダ移住)のアトム・エゴヤン(なんとなく覚え易い名前だ。この人、俳優としても活躍しているから、一応才人なんだろう)主要キャストも、ほぼカナダ人で、かなり純然たるカナダ映画。舞台はナイアガラや、トロント近郊の町など。撮影も実際、そこで行われたらしい。
いきなり、9歳の女の子が、父親が、パイやアイスを買いに出た、ものの5分ぐらいで、駐車していた車から忽然と姿を消す。この導入部はなかなか。
犯人がえらい早く登場しちまうのには、いささか拍子抜け。(この犯人役のカナダ人男優のキモいこと!)そこから、異時間軸を彷徨うのは、常套手段で、特に新味はないし、特段、分かりにくくもなっていない。
ただ、追う側の女刑事がレセプション会場から犯人側に誘拐され、隠れ家の廃車に幽閉されてしまうのに、その後、女の子の母親がメイドとして働くナイアガラのホテルの部屋に監視カメラがセットされていること場面に、なんと幽閉されている女刑事が。これなんか、時間軸の破綻としか言いようがない。
他にもいかにも思わせぶりのシーンがあるが、全体のストーリー展開に何の役も果たしていないとしか思われず、不可解!
結局、8年後に誘拐された娘は無事解放されるが、犯人の動機や、その空白の時間の説明がまったく明かされないまま、観衆は放り出されたようなもので、いささか釈然としない。
この作品、海外でも、かなり酷評されたとか、国内でも賛否がくっきり分かれるが、愚亭はあまり評価しない。
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